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英会話の福利厚生は2通り|研修費型と福利厚生費型の選び方

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「英会話を福利厚生に入れたら、経費になるのか」

検索すると「全従業員が使える制度なら福利厚生費にできる」という答えが多く出てきます。ただ、この言い方には抜けがあります。

実は、全員対象でも通らない形があります。国税庁の通達は、レクリエーション行事に参加しない人へ現金で配った分は給与として課税する、と明記しています。「全員対象なら大丈夫」だけでは、決まらないのです。

会社負担の英会話には、職務に直接必要な人に絞る「研修費型」と、希望者全員が使える「福利厚生費型」の2通りがあり、どちらの型で設計するかで満たすべき要件が変わります。

特定の部署を強化したいのか、全社の制度にしたいのか。目的が決まれば、選ぶ型も決まります。

この記事では、国税庁の通達をもとに、2つの型の要件から、給与課税になる分かれ目、導入前に決める3点までを解説します。

読み終える頃には、自社がどちらの型で英会話を導入すべきかが決まっているはずです。

結論|会社の英会話導入は「研修費型」と「福利厚生費型」の2通り

まず結論です。福利厚生として英会話を導入できるかは、「はい」で答えられます。ただし、導入の形が2通りあります。

この章では、次の3つを順に見ていきます。

  1. 2通りの型の早見表
  2. なぜ型で分かれるのか
  3. 自社の型を選ぶ基準

2通りの型の早見表

項目研修費型福利厚生費型
対象者職務に必要な部署・職種に限定希望する従業員なら誰でも
税務上の位置づけ会社の研修費従業員への福利厚生費
従業員への課税なし(職務に直接必要な場合)なし(3つの前提を満たす場合)
向いている会社業務内容で英語が必要な部署がある採用強化や企業文化づくりで導入したい
注意点対象をしっかり絞らないと給与扱いになる可能性完全に自由な制度にすると給与課税のリスク

ざっくりまとめると、対象を部署や職種で絞ることが可能なら研修費型。希望者全員が使える制度として作るなら福利厚生費型で整理します。

なお、2つの型は択一ではありません。海外部門には研修費型、全社の制度としては福利厚生費型、と併用する設計もできます。まず、主にどちらの形で入れるかを決めるのが、この記事の進め方です。

なぜ型で分かれるのか

2つの型は、それぞれ別の通達を根拠にしています。

研修費型の根拠は、国税庁タックスアンサーNo.2601「職務に必要な技術などを習得する費用を支出したとき」に示されています。職務に直接必要な技術や知識を習得させるための研修の費用は、給与として課税しなくてよい、という考え方です。対象を限定することで、会社は費用控除を受け、従業員は給与課税を受けないという両得の仕組みになります。

一方、福利厚生費型の根拠は所得税基本通達36-29と36-30です。こちらは職務の必要性ではなく、役員だけを対象にしないことなど、従業員におおむね一律に届く形かどうかで判定されます。

ここで言う給与課税とは、会社が負担した費用が従業員への給与と扱われ、従業員に所得税がかかることです。会社側にも源泉徴収の義務が生じます。従業員のための制度が従業員の税負担を増やしては本末転倒なので、型に合った設計を先に固めます。

自社の型を選ぶ基準

分かれ目は1つです。「誰が使える制度にするか」。ここだけ決めれば、残りの要件は後からついてきます。

例えば、海外拠点との会議がある営業部だけ、国際取引に関わる企画部だけ、という形で「この職務に必要」と説明できるなら研修費型です。

一方、採用強化のため希望者全員が使える制度にしたい、企業文化として「グローバル人材を育成する」というメッセージを出したい、そうした目的なら福利厚生費型で整理します。この型では、対象を絞らないことがそのまま要件になります。

どちらの型でも、受講する従業員に給与課税されない形は作れます。違うのは、その非課税を支える理屈です。研修費型は「職務に必要だから」、福利厚生費型は「全員に開かれた制度だから」。この理屈の違いが、ここから見ていく要件の違いになります。

ここからは、対象を絞れる研修費型から見ていきます。こちらは条件がシンプルです。

研修費型|職務に直接必要なら、対象を絞って導入できる

法人が従業員に英会話研修をさせるなら、職務に直接必要な場合、研修費として処理でき、従業員に給与課税もされません。この章では、以下の3つを順に見ていきます。

  1. 根拠となる国税庁の通達
  2. 「職務に直接必要」の具体例
  3. 注意すべき2つのポイント

根拠. 国税庁基本通達 36-29の2

役員や従業員の職務に直接必要な技術や知識を習得させるための研修は、税務上どう扱われるでしょうか。国税庁の基本通達(所得税基本通達36-29の2)に、次のように示されています。

36-29の2 使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、役員又は使用人に当該役員又は使用人としての職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させ、又は免許若しくは資格を取得させるための研修会、講習会等の出席費用又は大学等における聴講費用に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、課税しなくて差し支えない。

<small><em>※国税庁|<a href="https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm">所得税基本通達〔給与等に係る経済的利益〕</a>より</em></small>

押さえる点は2つあります。1つ目は、費用として適正なら、受講する従業員に給与として課税されないこと。2つ目は、対象が職務に直接必要な技術・知識の習得に限られていることです。

なお、対象は英会話のレッスンに限りません。通達は、免許や資格を取得させるための費用、大学等の聴講費用まで並べています。海外業務に必要な資格の取得費用なども、同じ枠組みで考えられます。

具体例. 職務に直接必要とは、今の仕事で英語を使うこと

「職務に直接必要」とは、その従業員の現在の業務の中に英語を使う場面があるという意味です。

例えば、海外の仕入先との商談がある営業部の研修や、外国人のお客様対応をする受付の研修は、職務と英語が直結しています。どちらも、その職務に就いている間は英語が仕事の道具になっている状態です。この場合、受講する従業員に給与課税はされず、会社は研修のための費用として処理できます。

一方、現在の職務では英語を使わない従業員に「今後のキャリア形成のため」と費用を支給する場合は、職務との結びつきが薄く、別の扱いになる可能性があります。この線の内側で対象を絞れることが、研修費型の利点です。全社員に開放する制度ではなく、実際に職務で英語が必要な部門・職種だけに限定できます。

注意点. 給与課税になる2つのケース

ただし、「研修費」の名目でも、以下の2つに当てはまると給与として課税される場合があります。2つとも、名目ではなく実質で判定される点が共通です。

1. 今の職務で英語を使わない人に受けさせる

英語を使う業務が無い人への費用負担は、自己啓発の後押しと見られて給与側に寄ります。受けさせる相手と理由を、制度を作る段階で言える状態にしておきます。

2. 給与を下げて、下げた分を研修費用に回す

この形は、名目が研修でも実質は給与の一部と扱われる場合があります。会社が研修として契約し、給与とは別に費用を持つ。この順番が原則です。

2つのケースの詳しい中身と、教育訓練費の税額控除の上乗せについては、オンライン英会話を経費にする条件は2つ|業務に必要か、記録で示せるかで解説しています。

では、対象を絞らず「全社の制度」として入れる場合はどうか。ここからが本記事の本論です。

福利厚生費型|「希望者全員が使える制度」にする3つの前提

福利厚生費型で押さえる前提は3つです。役員だけを対象にしないこと、現金支給にしないこと、著しく多額にしないことです。この章では、次の順に見ていきます。

  1. 根拠の通達
  2. 3つの前提
  3. なぜサイトによって「要件の数」が違うのか

根拠. 所得税基本通達36-29

福利厚生として受ける利益の扱いは、国税庁の所得税基本通達に示されています。

36-29 使用者が役員若しくは使用人に対し自己の営む事業に属する用役を無償若しくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない。

<small><em>※国税庁|<a href="https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm">所得税基本通達〔給与等に係る経済的利益〕</a>より</em></small>

難しい言い回しですが、除外されているのは「著しく多額であると認められる場合」と「役員だけを対象として供与される場合」の2つです。この2つに当たらなければ、福利厚生から受ける利益は課税しなくて差し支えない、とされています。

もう1つ、この通達が想定しているのは、会社が用役や施設を用意して従業員が使う形です。現金を渡して各自で契約させる形は、この枠から外れます。

法人税の側でも、交際費等と福利厚生費の区分では、従業員に「おおむね一律に」供与されることが目安とされています(国税庁タックスアンサーNo.5261「交際費等と福利厚生費との区分」)。

前提1. 役員・特定の人だけを対象にしない

通達が名指しで除外しているのは「役員だけを対象として供与される場合」です。福利厚生費型で行くなら、役員を含む希望者全員が使える形に開きます。

部署や職種で絞りたいのであれば、それは職務の必要性で組む話なので、先ほどの研修費型で設計します。福利厚生費型のまま「役員3人だけが使える」形にすると、除外事由に真っすぐ当たります。

前提2. 現金支給にしない(会社契約・会社負担の形にする)

会社がサービスと契約し、会社が費用を負担する。福利厚生費型は、この形が前提です。

例えば、会社がオンライン英会話と法人契約し、利用したい従業員が申請すれば会社負担で受けられる形です。逆に、「学習補助」として現金を配って各自に契約させる形は、給与に該当する可能性が高まります。

支払いの流れで言えば、請求書は会社宛て、支払いは会社の口座から、が基本形です。従業員が立て替えて精算する形を取る場合は、立替と分かる領収書を残し、精算の流れを後からたどれるようにしておきます。

前提3. 著しく多額にしない

もう1つの除外事由が「著しく多額」です。ただし通達には、いくらからが多額かの基準は書かれていません

月1万円前後のオンライン英会話を希望者全員が使える形が、これに当たるとは考えにくい一方、役員だけが月10万円のレッスンを無制限に使えるような形は、金額と対象の両面で除外に近づきます。判断に迷う金額設定なら、規程で上限を決めておくのが安全です。上限が決まっていれば、「著しく多額」かどうかの議論を最初から遠ざけられます。

なぜサイトによって「要件の数」が違うのか

検索して出てくる解説には「3要件」「4要件」「5要件」と、要件の数が違うものが混在しています。理由は単純で、通達の原文に「N要件」という列挙が存在しないからです。

通達36-29が挙げているのは除外事由だけです。各サイトはその裏返しを独自に数え直しているので、数え方がそろいません。本記事の3つの前提も、原文の除外事由(役員だけ・著しく多額)と、現金支給が給与に当たるという次の章で見る注書きから組み立てたものです。

実例. 福利厚生の法人契約で通う受講者

実際に、会社の福利厚生の法人契約で通っている受講者がいます。IT業界でビジネス開発を担当するYさんは、通い始めた経緯をこう語っています。

「弊社のCEOと貴社の社長さんが友人関係で、会社の福利厚生で法人契約をしているので、紹介していただいて通わせてもらっています。」

会社が契約し、従業員が使う。福利厚生費型の基本の形が、そのまま現れています。従業員は会社経由でレッスンを受け、会社はその費用を福利厚生費として処理する分担です。

この3つの前提は、裏返すと「給与課税になる分かれ目」です。次の章で、やってしまいがちな形を3つ見ます。

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給与課税になる3つの分かれ目|手当化・特定者限定・記録なし

前の章の3つの前提は、裏返すとそのまま給与課税の分かれ目になります。良かれと思って選びがちな形が、ちょうどこの分かれ目に乗ります。

この章では次の3つを順に見ていきます。

  1. 現金の「英会話手当」にする
  2. 役員・特定の人だけが使う
  3. 利用した記録が残っていない

それぞれ「何が起きるか」と「どう直すか」まで書きます。

分かれ目1. 現金の「英会話手当」にする

「英会話を頑張る社員に月1万円支給」のような現金の手当は、名目が福利厚生でも給与に当たりうる形です。根拠になるのが、レクリエーション費用の通達(36-30)に付いた注書きです。

(注)上記の行事に参加しなかった者(使用者の業務の必要に基づき参加できなかった者を含む。)に支給する金銭については、給与等として課税することに留意する。

<small><em>※国税庁|<a href="https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm">所得税基本通達〔給与等に係る経済的利益〕</a>より</em></small>

行事そのものの費用負担は課税されなくても、参加しない人へ現金で配った分は給与として課税する、という注書きです。英会話でも同じで、レッスンの提供に代えて現金を渡すと、給与の性質に寄ります。

直し方は、会社が契約側になることです。英会話サービスと会社が契約し、費用を会社が直接払う形にすれば、現金は従業員の手元を通りません。すでに手当として配っている場合は、次の契約更新のタイミングで会社契約へ切り替えるのが現実的です。切り替え前に配った分の扱いは、顧問税理士に相談してください。

分かれ目2. 役員・特定の人だけが使う

先ほどの通達36-29が役員限定の場合を除外していたとおり、特定の人だけの利用は給与課税に寄ります。

補助線として、学資金の扱いが参考になります。国税庁タックスアンサーNo.2588「学資に充てるため支給する費用」では、非課税となる学資金から、役員本人や、役員・使用人と特別の関係がある人の学資が除外されています。英会話でも考え方は同じです。なお、「特定の人」は役員に限りません。制度上は全員対象でも、実際には仲の良い数人だけが使っている、という実態があれば、建て付けではなく実態で見られます。

直し方は、対象の決め方を職務か制度かのどちらかに寄せることです。職務で絞るなら研修費型として設計し、福利厚生費型で行くなら希望者全員に開きます。中間の「なんとなく特定の人だけ」が、いちばん説明しにくい形です。

分かれ目3. 利用した記録が残っていない

制度があっても、誰が・いつ・何回使ったかを示せないと、「特定の人への利益ではない」ことを説明できません。実際に、英会話の研修費が、業務に必要な部分を記録で区分できないとして必要経費と認められなかった公表裁決もあります(個人事業主の事案)。記録が判断の中心になるのは、法人の福利厚生でも同じです。詳しくはオンライン英会話を経費にする条件は2つ|業務に必要か、記録で示せるかで扱っています。

直し方は、利用履歴の保存です。保存する中身は3つで足ります。誰が受けたか(受講者名)、いつ受けたか(受講日)、どれだけ受けたか(回数や時間)です。多くのオンライン英会話は、管理画面がこの3つを標準で記録しています。

3つの分かれ目を踏み外して給与課税になると、従業員は所得税の対象になり、会社には源泉徴収のやり直しが生じます。やり直しは1人分では済みません。制度の対象者全員分を、さかのぼって計算し直すことになります。金額の大小にかかわらず、手間の大きい仕事です。

分かれ目を避ける形は、契約の前に決めてしまうのがいちばん簡単です。最後に、導入までに決める3点です。

導入前に決める3点|規程・対象・記録(勘定科目もここで)

導入を決めたら、契約の前に3つを決めます。社内規程・対象範囲・利用記録です。

この章では次の順に見ていきます。1. 社内規程(目的・対象・負担範囲)2. 対象範囲(型に合わせて絞るか、全員に開くか)3. 利用記録(誰が・いつ・何回)。その後、勘定科目とセルフ診断をお伝えします。

決めること1. 社内規程(目的・対象・負担の範囲を文書にする)

英会話の制度づくりで一番確実な手順は、契約の前に社内ルールを文書にすることです。「一定の基準に従って」費用が負担されていることの裏付けになります。規程がなければ、「特定の人だけに多く負担したのでは」と後から問われたとき、答えの根拠がありません。

規程に書くのは4つで十分です。例えば、次の形です。

  1. 目的(「海外取引への対応力の強化」のように、事業とのつながりを書く)
  2. 対象者(「海外営業部の所属者」と絞るのか、「希望する全従業員」と開くのか)
  3. 会社負担の上限(「月額1万円まで」のように基準を決める)
  4. 申請方法(「希望者は人事に申告する」のように、利用開始の手続きを示す)

この4つを1ページの文書にまとめておくだけで、あとから「制度の根拠は何か」と聞かれたときに説明しやすくなります。

決めること2. 対象範囲(型に合わせて絞るか、全員に開くか)

社内規程を作るとき、もっとも気をつけたい分かれ目が、対象者を「一部部署だけ」にするか「全員に開く」かです。

「海外営業部だけが使える制度」という限定は、給与扱いのリスクを高めます。「その部署の社員だけに利益を配る」形に見え、給与の代わりに研修費として支給する給与上乗せと区別がつきにくくなるからです。給与課税と判定されれば、従業員側も会社側も処理が複雑になります。

対象を絞るなら、「職務が理由」である必要があります。「海外営業部の職務上、英語が必要」という職務との結びつきが強いなら、「その職務に直接必要な研修」として認められやすくなります。判定の中心は「この部署の仕事に本当に英語が必要か」にあります。

一方、対象を「希望する全従業員」に広げれば、職務の有無ではなく「福利厚生」として整理でき、給与課税のリスクが下がります。全員が使える制度なら、「採用や定着の支援」という会社側の目的が透明になります。

迷う場合は、制度の目的に立ち返ります。「採用や定着の強化」「全社の競争力向上」のような全社的な目的なら、対象も「全員」に開きます。「特定部署の業務強化」のような職務目的なら、対象も職務で絞ります。目的と対象の型を合わせることが大切です。

決めること3. 利用記録(誰が・いつ・何回)

英会話の費用を計上するとき、最後に要るのが「誰が・いつ・何回使ったか」を残しておくことです。

新しい台帳を作る話ではありません。多くのオンライン英会話サービスは、受講日・受講者・レッスン内容を管理画面で見られるようになっています。その履歴を保存しておくだけで足ります。毎月の利用実績をスクリーンショット保存する、あるいは請求書で確認する。それだけです。

記録がある状態と無い状態では、後の説明のしやすさが大きく変わります。税務調査で「この従業員は実際に何回受講したのか」と聞かれたとき、記録があれば事実に基づいて答えられます。

勘定科目. 型に合わせて選び、毎年続ける

勘定科目は、法令で決められているわけではなく、実務では内容に応じて3つが使い分けられています。

研修費型で導入するなら研修費が基本です。従業員の語学研修を研修費として計上する例は広く見られます。

福利厚生費型で導入した場合は、福利厚生費で処理します。希望者なら誰でも会社負担で受けられる仕組みと、科目の性質が一致します。

参考書や教材の購入だけなら新聞図書費でも構いません。ただレッスンと教材をまとめて払う場合は、主な内容に合わせて1つの科目に寄せます。

大切なのは、選んだ科目を毎年続けることです。初年度は研修費、翌年は福利厚生費のように変えると、帳簿の説明が難しくなります。

摘要欄に「海外取引対応の英語研修」のように目的を1行書きます。この1行が、後で「この費用は何のためか」と聞かれたときに、説明の根拠になります。

セルフ診断5問

ここまでの内容を踏まえて、「うちの制度はどちらの型か」を判定する診断です。

  1. 英語が職務に直接必要な部署・職種を具体的に挙げられるか(挙げられるなら研修費型の候補)
  2. 制度の目的は「特定部署の強化」か、「全社の採用・定着」か
  3. 希望者全員が使える形(会社契約)にできるか。それとも現金の手当を考えていたか
  4. 役員・管理職だけが使う制度になっていないか
  5. 利用記録(誰が・いつ・何回)を残せる仕組みがあるか

1問目がYESで、目的が特定部署の強化なら、研修費型で職務に直結した説明ができます。1問目がYESでも目的が全社なら、福利厚生費型で「誰でも使える」形に開きます。1問目がNOなら、福利厚生費型を検討しましょう。

決めるのは規程・対象・記録の3点。あとは自社の目的に合う型を選ぶだけです。

まとめ|英会話の福利厚生は「誰が使える制度か」で決まる

会社負担の英会話は、研修費型と福利厚生費型の2通りから選びます。分かれ目は「誰が使える制度にするか」の1点です。

対象押さえること
研修費型職務に直接必要な部署・職種に絞る職務との結びつきを説明できること
福利厚生費型希望する従業員なら誰でも役員だけにしない・現金で配らない・著しく多額にしない

研修費型の根拠は職務に直接必要な研修費用の通達、福利厚生費型の根拠は福利厚生の経済的利益の通達でした。根拠が別なので、要件も別です。

給与課税になる3つの分かれ目も、この記事で見てきたとおりです。

  • 現金の「英会話手当」として配る
  • 役員・特定の人だけが使う
  • 利用した記録が残っていない

要件の数で迷ったら、この記事で引用した通達の原文に戻ってください。除外されているのは「役員だけ」と「著しく多額」、そして現金で配れば給与、という3点だけです。

では、今日から何をするか。次の3つです。

  1. 目的から型を選ぶ(特定部署の強化なら研修費型・全社の制度なら福利厚生費型)
  2. 規程・対象・記録の3点を決めて文書に残す
  3. 会社がサービスと契約し、会社が費用を負担する形にする(現金で配らない)

制度の形を先に決めれば、英会話の福利厚生は堂々と導入できます。個別の税務判断は、顧問税理士や所轄税務署に確認することをお勧めします。

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