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英語スピーキングの練習|止まっている場所で、やる練習は変わる

スピーキング

音読もやった。瞬間英作文の本も1冊やった。それでも会議で指されると、最初の一言が出てこない。練習はしているのに、本番だけ口が開かない。——そんな経験はないでしょうか。

このとき、たいていこう思っています。「練習の量が足りないのか。それとも、やり方が間違っているのか」と。

どちらでもないことが多いです。練習の種類が、自分の止まっている場所に合っていない。これがいちばん多いつまずき方です。

英語のスピーキングとは、頭の中で組み立てた英文を、声に出して瞬時に外に出すことです。この一連の動きの中で、人によって止まる場所が違います。音読は口を動かす練習で、瞬間英作文は訳す速さの練習です。止まっている場所が別なら、その練習では届きません。

この記事では、話そうとしてどこで止まっているかを3つに分け、それぞれに効く練習だけをお伝えします。書いているのは、英語コーチングスクール・ミライズです。発音を専門に教えているシャベリッシュで、実際に教えている内容をもとにしています。

練習法が横に並ぶと、どれをやればいいかが決まらない

スピーキングの練習法を調べると、音読、リピーティング、シャドーイング、瞬間英作文、独り言、と並びます。どれも正しい練習です。

問題は、横に並んでいることです。並んでいると、全部やるか、続けやすいものを選ぶか、のどちらかになります。全部やると1日が足りません。続けやすいものを選ぶと、自分が止まっている場所とは関係のない練習が残ります。

スピーキングを分解すると、言うことを決める、英語にする、口から出す、の3段階です。練習は、この3段階のどこかに効くように作られています。 音読は「口から出す」に効き、瞬間英作文は「英語にする」に効きます。

だから、先に決めるべきは練習法ではありません。自分がどの段階で止まっているかです。

話そうとして、あなたはどこで止まっているか

会議で指された瞬間、あるいは相手の質問が終わった瞬間を思い出してください。口が開くまでの数秒間、頭の中で何が起きていたかです。

止まり方1. 日本語でも、何を言うかが決まっていない

英語にする以前に、そもそも言うことが決まっていない状態です。頭の中で「どう言えばいいんだろう」と探しているのですが、探しているのは英語ではなく、言う中身のほうです。

外資系の製薬会社で管理職をしている方が、無料カウンセリングでこう話していました。日本語の文章の組み立てもできていない中で英語にしようとするので、語順が逆になる。もっと簡単にこう言えばいいのに、という簡単な言い方が、まず日本語で出てこない。

TOEICは800点ある方です。英語力の問題ではなく、言うことを決める段階で止まっています。

止まり方2. 日本語では決まっているのに、英語にする間に遅れる

言いたいことは決まっています。それを頭の中で英語に訳して、訳し終わってから口に出す。この往復に時間がかかって、会話のテンポから遅れます。

相手の英語を日本語に直し、返事を日本語で考え、それをまた英語に直す。この3往復を毎回やっていると、相手はもう次の話に進んでいます。

止まり方3. 英文は頭にあるのに、口が動かない

英文はできています。ただ、口がついてきません。唇に力が入る、舌がもつれる、思ったより遅く出る、という状態です。

日本語にない音や発声が多いので、普段使っていない口の筋肉がすぐには動きません。ここは知識ではなく、動きの慣れの問題です。

手前の段階が、練習法の一覧から抜けている

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

練習法の一覧には、止まり方1に効くものが入っていません。 音読も瞬間英作文も、言うことが決まっている前提で作られています。日本語で決まっていない人がそれをやっても、練習の中では決まっている文を扱うので、本番の止まり方は変わりません。

英語がよく話せる人を見ると、難しい英語を使っているわけではありません。簡単な英語で、伝わる形にしているだけです。違いは語彙の量ではなく、言うことを短く決めるところにあります。

音は、終わりのある練習

シャベリッシュの2ヶ月のプログラムは、順番が決まっています。最初の2ヶ月は音を作ります。そのあとに、頭の中の文を時間を置かずに出す瞬間発話の練習に進み、最後に会議や商談を想定した場面練習に入ります。

音を最初に置くのには理由があります。音の学習には終わりがあります。 語彙や表現は増やしても終わりが見えませんが、音はルールなので、一度覚えれば同じことを何度も学び直す必要がありません。終わりのあるものを先に済ませて、そのあとを瞬間発話に使う、という順番です。

「言いたいことが出てこない」と書いた人たち

止まり方の実際は、受講した方の言葉に残っています。以下の3人は、ミライズで英語を学んだ方々です。引用は、公開されている体験談の本文からそのまま取っています。

製造業の経理として働く市川さんは、TOEICのスコアと話す力の差を、こう書いています。

TOEIC830点あるのですが、スピーキングとなると言いたいことが出てこないことが多いです。

830点あっても出てこない。 点数は「英語にする」力を測っていますが、「言うことを決める」速さや「口から出す」動きは測っていません。市川さんはこのあと、会話の中でアウトプットしないと話せるようにはならない、と続けています。

化学業界で経営管理の仕事をしているTさんは、イギリス赴任が決まったときに気づいたことを書いています。

簡単な英語しか話せなくても、発音が綺麗であれば相手に伝わる

簡単な英語で足りる。 止まり方1の人が探しているのは、たいてい難しい言い方です。Tさんは逆に、簡単な英語のまま、出し方のほうを整える判断をしています。

イギリス駐在を控えていたN.Fさんは、知識と話す力の関係をこう書いています。

英単語や文法はそこそこ知っているし、英語も全く話せない訳ではないのですが、発音は英語でコミュニケーションを取る上で全てに通じる要素です。

知っていることと、出せることは別、という順番がここに出ています。

止まり方1・2の人がやること

言うことを決める段階と、英語にする段階の練習です。

手順1. 結論を短い1文で先に言い、あとから足す

止まり方1の人は、最初の1文を短くするところから始めます。

英語は、結論を先に言いたがる言語です。まず短い文を1つ出し、そのあとに理由や条件を付け足していく。最初から長い文を組み立てようとすると、日本語の段階で止まります。

たとえば会議で意見を求められたら、「賛成です」「懸念があります」の1文を先に出します。そのあとで「理由は〜」と足せばよく、足せなければそこで止めても文は成立しています。

手順2. 話す前に、日本語で骨だけ決めておく

英語を話す練習の前に、日本語で何を言うかを決める練習を挟みます。

自分が何を思っているかが無いと、どの言語でも話せません。会議の前に、言いたいことを日本語で3語程度に絞っておく。「予算」「来月」「無理」のような単語の並びで構いません。文にしないことが要点で、文にすると、その文を訳そうとして止まり方2に移ります。

手順3. 間を埋める言葉を、2つだけ持っておく

止まり方1の人がもうひとつ持っておくとよいのが、考えている間を埋める言葉です。

英語は、会話の中の無音を嫌う言語です。日本語でも「あの」「えっと」で間をつなぎますが、英語では `um` や `you know` がその役です。言うことを決めている数秒間、これで間を持たせておけば、相手は待ちます。 無音だと、相手は終わったと受け取って次に進みます。

覚えるのは2つで足ります。増やすと、今度はつなぎ言葉を選ぶことに時間を使います。

手順4. 日本文を見て、口で英作文する

止まり方2の人は、訳す速さを上げます。やり方は4段階です。

  1. 日本文を見て、口頭ですぐに英作文する
  2. 正解の英文を見て、答え合わせをする
  3. 英文を見ながら何度か音読し、口に馴染ませる
  4. 日本文を連続して見て、英作文を繰り返す

紙に書かないことが要点です。書くと、考える時間が取れてしまいます。音声で日本語が流れ、数秒のポーズの間に英語で言う、という形にすると、本番の速さに近づきます。

使う文は、中学レベルの文法で足ります。複雑な構文を訳せるようになるより、簡単な文を止まらずに出せるほうが先です。

教材が手元にないときは、独り言で同じことができます。料理をしている、道を歩いている、という時間に、いま考えていることや目の前のものを英語で口に出す。英語でどう言うか分からなければ、その場で調べます。訳して出す往復を、机の外でも回すのが狙いで、回数が増えるほど往復が短くなります。

止まり方3の人がやること

英文はあるのに口が動かない場合は、口の動きを作ります。

手順1. 例文を声に出して、口に馴染ませる

自分で作った文ではなく、教材やアプリの例文を使います。理由は3つあります。お手本の音・リズム・強弱が聞けること。声に出すことで口の動きに馴染むこと。単語やフレーズの入力と出力が同時にできること。

自作の文だと、お手本がありません。お手本の音を知らないまま読み上げても、口の動きは日本語のままです。

手順2. 「口が追いつかない」に気づいたら、音に戻る

音読を続けていて、頭では分かっているのに口が遅れる、と感じたら、それは口の慣れの問題です。ここから先の練習は、英語の瞬発力は頭の回転ではなく「口の慣れ」|とっさに出てこない、が変わるまででお伝えしています。口が動くまでの期間と、実際に口が動くようになった方の話も載っています。

手順3. 発音は早い段階で確かめる

多少発音がずれていても、文脈で通じてしまうことがあります。通じてしまうと、そこから発音を学び直すのが面倒になります。 定着した誤りを直すほうが、最初に作るより時間がかかります。

シャベリッシュでは、練習に入る前に発音診断テストで出せていない音を特定します。口が動かない原因が、慣れの不足なのか、そもそも出し方を知らない音があるのかは、自分では判断できません。 口の中は自分では見えないからです。 講師が音を出して見せ、受講者が同じ形をなぞる、という進め方で口の動きを作ります。

教材のもとは、ミライズが運営する社会人向けの留学サービス「ミライズ留学」で延べ1万人に提供してきた発音レッスンです。

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今日、1回だけ確かめる

3つ全部をやる必要はありません。自分の止まり方に当たる1つだけで構いません。

  1. 止まり方1の方 … 明日の会議で言うことを、日本語で3語だけ書き出す。文にしない
  2. 止まり方2の方 … 日本文を1つ見て、口頭で英作文し、録音する。書かない
  3. 止まり方3の方 … 例文を1文、お手本の音声を聞いてから声に出す。聞かずに読まない

どれも5分で終わります。やってみて止まった場所が、そのまま次にやる練習になります。

まとめ|練習の前に、止まっている場所を決める

英語のスピーキングは、言うことを決める、英語にする、口から出す、の3段階です。練習法はそれぞれの段階に効くように作られているので、自分がどこで止まっているかを先に決めないと、練習の種類が選べません。

いちばん見落とされているのが、日本語でも決まっていないという手前の段階です。ここは音読でも瞬間英作文でも届きません。結論を短く先に言う、日本語で骨だけ決める、という練習がここに効きます。

難しい英語は要りません。 簡単な英語を、止まらずに出せる形にする。そのために、自分の止まり方を1つ決めるところから始めてください。

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