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社会人の英語勉強|仕事で使えるまでの150時間の積み方

ビジネス英語

英語の会議で、言いたいことがあるのに言葉が出てこない。そんな状況を変えようと、参考書を買い、アプリを入れ、オンライン英会話にも申し込んだ。けれど、どれも長くは続かなかった——そんな経験はないでしょうか。

続かないのは、意志が弱いからとは限りません。自分の現在地や、仕事で英語を使えるまでの距離が分からないまま、評判のよい勉強法を選び続けていることが原因かもしれません。

実際、「英語 社会人 勉強」と検索すれば、たくさんの勉強法が見つかります。しかし、本当に知りたい「今の自分には何が必要か」「目標まで、あとどれくらい学べばよいか」までは、なかなか分かりません。

ベンチャーキャピタルの代表を務める林さんは、その状態をこう言っています。

ただ社会人になってからは忙しさもあって勉強時間が確保できずに、ずっと中途半端な状況が続いていました。

一方、会社を経営するH.Tさんは、忙しい中でも学習を続けるヒントをこう話しています。

まとまった勉強時間がとれない方は、日々のちょっとした合間を見つけてやってみることが大切だと思います。

お二人に共通するのは、勉強法をむやみに増やすのではなく、取れる時間と続け方を先に決めていることです。いずれもミライズの受講者で、公式サイトでは200件以上の体験談を本人の言葉のまま公開しています。

この記事では、これらの体験談と公的なデータをもとに、仕事で使えるレベルまであと何時間必要かを整理します。そのうえで、週に確保できる時間別に、現実的な学び方を紹介します。

中学・高校・大学で約1,000時間。それでも社会人の平均はTOEIC 649点

学び方を決める前に、まずは現在地を確認しましょう。

英語コーチング・シャベリッシュのサービスページには、こう書かれています。

私たちはすでに、約1000時間以上英語を学んできました。中学350時間、高校500時間、大学150時間、合計約1000時間です。

学校教育だけでも、すでに約1,000時間を英語に使っている計算です。それでも会議で言葉が出てこないなら、必要なのは、ただ学習時間を足すことだけではなさそうです。

平均は649点。ただし合計では判定できない

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)のTOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026(2025年度・公開テスト)によると、社会人308,493人の平均はリスニング353点・リーディング296点、合計649点でした。

649点という合計点だけでは、仕事でどこまで英語を使えるのかは判断できません。そこで、語学力をA1(入門)からC2(母語話者に近い)まで6段階に分けた「CEFR」に照らしてみます。

CEFRは、大学入試や企業の英語要件でも使われる共通基準です。IIBCが公開するTOEICスコアとCEFRの対照表を使うと、自分のスコアがどのレベルに当たるかを確認できます。

CEFRレベルリスニングリーディング
C1490点〜455点〜
B2(仕事で使える)400点〜385点〜
B1(日常会話が成立する)275点〜275点〜
A2110点〜115点〜

社会人平均の353点・296点を当てはめると、リスニングもリーディングもB1です。B2の基準にはリスニングで47点、リーディングで89点足りません。

学校で約1,000時間学んでいても、社会人の平均はB1相当です。「長く勉強したのに仕事で使えない」と感じているのは、あなただけではありません。

合計620点でもB2ではない。低いほうのセクションで決まる

ただし、CEFRのレベルを見るときは、TOEICの合計点だけで判断しないようにしてください。対照表では、リスニングとリーディングを別々に確認するからです。

例えば合計720点でも、内訳がリスニング450点・リーディング270点なら、リーディングはB1のままです。逆に合計が同じでも、両方が400点前後に揃っていればB2に入ります。偏りがあるほど、合計は実力を大きく見せます。

まずは直近のスコアを、リスニングとリーディングに分けて書き出してみてください。どちらか一方がB1なら、まずはその分野をB2へ上げることが目標になります。

足りないのは量ではなく、積んできた時間の中身

「すでに1,000時間も学んだのなら、これ以上時間を増やしても変わらないのでは」と思うかもしれません。しかし、ここで比べるべきなのは、時間の長さだけではなく、その中で何を練習したかです。

後で使うケンブリッジ大学英語検定機構の学習時間の目安では、対象を「教室やプログラムの一部として行う学習」と定義しています。宿題のように、その言語を使えるようにする目的で設計された課題は入ります。

学校で積んだ1,000時間と、この「学習時間」は、そのまま比べられません。ケンブリッジ大学英語検定機構が数えているのは、言語を使えるようになるために設計された学習だからです。

一方、学校の授業では、長文読解や文法に多くの時間を使います。同じ1,000時間でも、会議で話すための練習とは中身が異なります。

しかも、社会人になってから足していない人ばかりではありません。同じサービスページには、こう続きます。

さらに社会人になってからも、オンライン英会話、英語コーチング、対面スクール、AI学習アプリなどで、多くの人が学び続けています。

社会人になってからも学び続けているのに、仕事で使える実感を得られない人はいます。その場合は、学習量を増やす前に、学習の中身が目的に合っているかを見直す必要があります。

例えば、単語帳を1冊終えても、会議で言葉が出るようにはなりません。読んで意味が取れることと、口から出ることは別だからです。

そこで、この記事では、これから確保する時間を「英語を使えるようになるための学習時間」として考えます。会議で話せるようになりたいなら、単語の意味を覚えるだけでなく、声に出して使う練習まで含めましょう。

B2まで、あと150〜250時間

現在地と、数えるべき学習の中身が分かったところで、B1からB2までに必要な時間を見ていきましょう。

ケンブリッジ大学英語検定機構は、CEFRのレベルを1つ上げるのに必要な学習時間を公開しています。1レベルにつき、およそ200時間。ゼロからの累積では次のようになります。

CEFRレベルゼロからの累積時間
A2180〜200時間
B1350〜400時間
B2500〜600時間
C1700〜800時間

B1からB2までは、差し引き150〜250時間です。

B2は、利点と欠点を並べて自分の考えを言える状態

では、B2になると何ができるのか。CEFRを作った欧州評議会は、各レベルで何ができるかを記述表として公開しています。

できること(要約)
B1仕事や日常で出てくる身近な話題なら、標準的な話し方の要点をつかめる。経験や出来事を説明し、意見や計画の理由を簡潔に述べられる
B2自分の専門分野の技術的な議論を含め、抽象的な話題でも要点をつかめる。母語話者とのやりとりでも、双方に負担をかけずに対話が続く。 時事的な問題について、各選択肢の利点と欠点を挙げて自分の見方を説明できる

仕事で求められるのは、単に自分の意見を一言で伝えることだけではありません。例えば会議では、複数の選択肢を比べ、それぞれの利点と欠点を説明する必要があります。B2は、そのようなやりとりを目指す人にとって、一つの具体的な目安になります。

また、B2の定義には「双方に負担をかけずに」対話が続くことも含まれます。相手に度々言い換えてもらわなくても、やりとりを続けられる状態です。

ケンブリッジ側は、かかる時間が変わる理由として「学習の集中度」と「授業外での学習・接触量」も挙げています。同じ150時間でも、半年かけて薄く延ばすか、2ヶ月に詰めるかで結果は変わります。ただし目安であって、学習歴や年齢でも動きます。

必要時間は一人ひとり異なりますが、B1からB2まで150〜250時間という目安が分かれば、計画は立てやすくなります。次は、この時間を週にどれくらい確保できるかに分けて考えます。

週に何時間取れるかで、届く時期は3つに分かれる

150〜250時間に届くまでの期間は、1週間にどれくらい学べるかで変わります。まずは次の3つから、今の生活に近いものを見つけてください。

週に取れる時間150〜250時間に届くまでレッスンと自習の組み方読む章
週5時間(1日45分)約7ヶ月〜1年すきま時間+オンライン/通学次の章
週17時間(1日2.5時間)約2ヶ月伴走つきコーチング2つ先の章
週35時間(平日フル)約1〜2ヶ月留学(仕事を止める)3つ先の章

ここで先に決めたいのは、勉強法ではなく、毎週無理なく確保できる時間です。例えば、週5時間しか取れないのに2ヶ月で終える計画を立てると、仕事が忙しい週に破綻してしまいます。

自分の行は、次の3つを書き出せば決まります。

  1. 直近のTOEICスコア(リスニングとリーディング別々に)
  2. 平日に確実に取れる時間(移動時間と昼休みを含めて、1日あたり何分か)
  3. 期限(いつまでに使う予定があるか)

例えば、平日の夜に30分、土日に2時間ずつ取れるなら、合計は週約6.5時間です。このペースなら、150時間に届くまで約6ヶ月、250時間なら約10ヶ月かかります。

一方、2ヶ月後の海外赴任など期限が決まっている場合は、週17時間前後を確保する必要があります。現在の生活のままで可能か、伴走サポートを入れるかまで含めて考えましょう。

明確な期限がないなら、まずは週5時間の計画から始めるのが現実的です。1日2.5時間を前提にするよりも、忙しい週でも続けられるペースを先に作るほうが、結果的に時間を積み上げやすくなります。

ここからは、週5時間、17時間、35時間の順に、具体的な続け方を見ていきます。

週5時間なら7ヶ月〜1年。すきま時間だけで積む

まとまった学習時間を取れない人は、すきま時間を組み合わせて週5時間を作ります。1日平均45分ほど確保できれば、7ヶ月〜1年で150〜250時間に届きます。

パーソナルトレーナーとして働く三井さんは、続いた理由に、好きな時間に受けられたことを挙げています。

まず1つが、オンラインでいつでも好きな時間に受講できるという点です。私はフリーランスとして仕事をしているので、お昼過ぎや夜の時間帯など、仕事の合間の空いている時間に受講できました。そうしたスキマ時間に受講できるからこそ、学習を続けることができたと思います。

会社を経営するH.Tさんも、同じところを挙げたうえで、もう1つ足しています。

また、一度生活の中で勉強時間をルーティン化してしまえばとても楽になります。

すきま時間を活用するときに大切なのは、毎回「今日はいつやるか」を決め直さないことです。通勤中や昼休みなど、学ぶ時間帯を生活の中に固定すると、始めるたびに迷わずに済みます。

週の回数を先に固定する

実際に通っている人は、回数を先に決めています。不動産ディベロッパーで働く岩崎さんは、平日の夜に2回入れています。

平日の夜を中心に、週に2コマずつ通っています。

外資系で経営コンサルタントを務める吉岡さんは、週1回という回数のほうを目的にしています。

そうですね、サイクルをつくるのが1番の目的なので、今後もペースメーカーとして週1で通いたいです。

週1回でもレッスンの予定が入っていれば、その日に向けて自習のリズムも作りやすくなります。忙しくなってから時間を探すのではなく、先に予定を入れて、残りの時間を調整するのがポイントです。

IT業界でビジネス開発を担当するYさんも、続けられるかどうかを基準にしています。

やはり英語力を高めるためには続ける事に意味があると思うので、レッスンに飽きず、継続できるような環境に自分を置く事が大切だと私は思います!

例えば、週5時間なら「週2回のレッスン+1日30分の自習」が一つの目安です。シャベリッシュのサービスページでも、自己学習は1日平均30分〜1時間と案内されています。通勤や昼休みに15分ずつ分ければ、まとまった30分が取れない日でも積み上げられます。

週5時間は続けやすい反面、B2までの目安は7ヶ月〜1年後です。もっと早く英語が必要になる人は、週間の学習時間そのものを増やす必要があります。

週17時間なら2ヶ月。2か月で150時間を積んだ人がいる

海外赴任や英語での登壇など、使う日が決まっている人は、短期間で学習時間を確保する必要があります。実際に、日本で働きながら2ヶ月で150時間以上学んだ受講者がいます。

イギリスに赴任し、化学業界で経営管理の仕事をしているTさんは、2ヶ月で150時間以上の自己学習を積んでいます。週にすると約17時間、1日2.5時間になります。

なぜその量を積めたのかを聞かれて、本人はこう答えています。

冒頭でもお話しした通り、古庄さんのビフォーアフターに衝撃を受けて受講を決意したので、単純に古庄さんが行った勉強時間を超えることが出来れば、私も発音への大きな変化を感じられると思ったからです。

例にした人の学習時間を、自分の目標に置いたのです。「今日はやるか」と毎回考えるのではなく、「目標まであと何時間か」を確認する形に変えています。

週17時間と聞くと、毎日まとまった時間が必要に思えます。しかし、基本的な積み上げ方は週5時間の場合と同じです。移動中や休憩時間も使い、1日の中で学ぶ回数を増やします。

時間を数えているから、積み上がる

150時間という数字が出てくるのは、本人が毎日記録しているからです。 自営業の古庄さんが、その仕組みを説明しています。

さらに毎日、スプレッドシートにて勉強時間を記入していくので視覚的にモチベーションにもなるし、もし勉強していなかったらトレーナーからしっかり連絡が来ます(笑)

スプレッドシートには毎週やることが記載されており、迷わず学習できましたし、1日にやる課題が数字として見える化されていたのでゴールがはっきりしていて挫けずに続けられました。

週17時間を続けるには、感覚ではなく記録が必要です。忙しい週にどれくらい不足したかが分かれば、次の週に計画を調整できます。

落ちた週に、量ではなく的を絞る

とはいえ、週17時間を毎週きれいに積めるわけではありません。経営者の北島さんは、落ちた週にどうしていたかを挙げています。

思ったように自己学習の時間が取れずにいると、週に1回あるトレーナー面談で事情を汲み取ってくれ、「最低限ここの発音だけ意識してやってみましょう!」とピックアップしてくれました。

学習できなかった時間をすべて取り返そうとすると、次の週の負担がさらに重くなります。そのようなときは、優先度の高い課題に絞るほうが続けやすくなります。

ただし、何を残し、何を後回しにするかを自分で判断するのは簡単ではありません。週17時間のペースで進める場合は、週1回コーチと話し、その週の学習内容を調整できる形が向いています。

量にも慣れがあります。クリニックに勤めるN.Kさんは、増やしたときの実感を話しています。

2コマ連続でレッスンの受講をやり始めた頃はかなり疲れていましたが、最近は慣れてきたので2コマ続けて受講するのが当たり前になっていますね。

例えば、最初の2週間は週10時間しか確保できなくても、そこで諦める必要はありません。まず続けられる量から始め、生活の中で学習のリズムができてから少しずつ増やしていきましょう。

週35時間なら1〜2ヶ月。ただし仕事を止める必要がある

週35時間を確保するには、学習を生活の中心に置く必要があります。仕事を休める、または転職の間など、まとまった期間を確保できる人に向く方法です。

ミライズ留学の基本プログラムは1日7コマ・7時間で、月曜から金曜まで組まれています。土日を自習ゼロで数えても、週35時間です。150〜250時間なら1〜2ヶ月で終わります。

期間だけを比べれば、もっとも短い選択肢です。ただし、次の3つの条件を確認する必要があります。

  • まとまった休みか、転職の合間が要る
  • 費用がかかる(1カ月18万円台から)
  • その期間、仕事を止める

例えば、「2ヶ月で150時間学ぶ」ことだけが目的なら、日本で週17時間を確保する方法もあります。前の章のTさんも、働きながら同じ2ヶ月で150時間以上を積んでいます。

一方、日本では仕事や家庭の予定が優先され、どうしても学習が後回しになる場合もあります。学習予定があらかじめ組まれた環境に移ることで、その都度「今日はやるか」を判断せずに済みます。

まとめ|勉強法を増やす前に、週に何時間取れるかを先に決める

社会人の英語学習では、勉強法を探す前に、現在地と使える時間を確認することが大切です。

私たちは学校で約1,000時間、英語を学んでいます。それでも社会人のTOEIC平均をCEFRに当てはめると、リスニングもリーディングもB1相当です。長く学んでも仕事で使えないと感じるのは、あなただけではありません。

これから必要なのは、同じ勉強を繰り返すことではなく、仕事で英語を使うための学習に時間を配分することです。B1からB2までの目安は150〜250時間。週5時間なら7ヶ月〜1年、週17時間なら約2ヶ月、週35時間なら1〜2ヶ月が目安になります。

大切なのは、最短の方法を選ぶことではなく、必要な日まで続けられる計画を立てることです。まずは直近のTOEICスコアをリスニングとリーディングに分け、今週確実に取れる時間を書き出してみてください。その2つが、無理のない学習計画の出発点になります。

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