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英語の電話対応|代わってもらう・聞き取れない・返せないで、練習するものが違う

ビジネス英語

受話器の向こうで相手が何か話している。顔も口元も見えない。手元に資料もない。聞き取れたのは社名らしき音だけで、返事を考えているうちに相手はもう次の文に進んでいる——そんな経験はないでしょうか。

「英語 電話対応」と検索すると、場面別のフレーズ集が並びます。けれど、出た直後に相手の名前すら聞き取れないなら、用意したフレーズを使う場面まで進めません。本当に知りたいのは、実際に電話に出られるようになった人が何を変えたのか、ではないでしょうか。

観光に携わる会社で働く林さんは、海外からの電話を「すぐにその電話対応を英語喋れるスタッフにお願いしていた」と振り返ります。外国人観光客の多い飲食店で働いていた下西さんは「予約や問い合わせの電話が英語だと全く聞き取れなくて」と語り、会計事務所で電話番を担当する方は「聞き取れないのですが、一応とります」と話しています。3人の困りごとは、同じではありません。

いずれも、英語コーチングスクール・ミライズの受講者です。公式サイトには、英語の電話に困っていた社会人を含む200件以上の体験談が、本人の言葉のまま公開されています。

この記事では、その体験談と調査データから、電話だけが極端に難しくなる理由と、自分は何を練習すればいいのかをお伝えします。

英語の電話が苦手なまま残る2つの理由。準備できないこと、回数が少ないこと

英語で困る場面のうち、電話には他の場面にない特徴が2つあります。回数が少ないことと、いつ来るか分からないことです。

準備できない場面で、6割が困っている

社会人が英語のどの場面で困っているかを調べた調査があります。株式会社ECCが、仕事のために英語力を養いたいと考えている会社員600名(一般社員300名・管理職300名)に行った「社会人の英語力に関する調査」(2026年2月20日〜3月2日・インターネット調査)では、英語力不足で業務上困った経験がある人が6割を超えました。

同じ調査で、一般社員が困った場面としてまず挙がったのは、外国人の「来客対応」「接客時」など、準備する余裕のない突発的な場面でした。4技能のうち最も苦手なものはスピーキングで、一般社員41.0%、管理職38.7%と世代を問わず最多です。

会議や商談で不安・緊張を感じる人は、一般社員で62.0%(「強く感じる」25.3%、「やや感じる」36.7%)でした。

会議やプレゼンには、少なくとも準備の時間があります。電話にはそれがなく、鳴った瞬間に本番が始まります。

電話は「たまに」しか来ない

もう一つが回数です。

海外の顧客が増えた職場で働く受講者は、自分の使用場面をこう説明しています。

昔に比べて海外の顧客も増えてきていますので、担当の方とは英語でメールのやり取りしなければいけなかったり、ごくごく稀に英語で電話がかかってきたりもします。

電機メーカーで法務を担当していた方も同じです。

海外との英語を使った電話会議や稀に交渉等に出席する機会はありました。

イングリッシュベル英会話が、英語を使う業務歴3年以上の20〜40代330名に行った「仕事の実務に活きる英語学習方法に関する調査」(2025年11月11日〜17日・インターネット調査)でも、仕事で英語を使う頻度が最も高い場面は「メールやチャットでの連携」21.5%、次いで「英語資料の作成・読解」20.3%、「対面やWebでの会議」17.3%でした。上位3つに電話は入っていません。

メールなら毎日書きますし、会議も定例なら週に1回来ます。電話は「稀に」しか来ません。準備できない場面がたまにしか来ないので、慣れる前に次の1本が来ます。

苦手なまま何年も残るのは、能力の問題ではありません。

自分に当てはまるのはどれか

英語の電話が無理だと感じるとき、困りごとは3つに分かれます。

いまの自分やること
英語の電話は、話せる人に代わってもらっている名乗るところまで自分で出る
自分で出るが、相手が何を言っているか分からない消えている音を見つける
聞き取れてはいるが、返す言葉が出ない電話の場面だけを声に出して練習する

3つは順番でもあります。代わってもらうのをやめると、聞き取れない問題が出てきます。聞き取れるようになると、返せない問題が残ります。

自分に当てはまるところから読んでください。

代わってもらっているうちは、自分が出た回数はゼロのまま

英語の電話を、話せる同僚に代わってもらう。これは多くの職場で起きています。そしてその場の判断としては、正しい場合があります。

代わるのが正しい場面はある

外国人観光客の多い飲食店で働いていた下西さんは、こう話しています。

飲食店なので、もしアレルギーの話などを聞き取れないと大変なことになるので、英語が話せるスタッフに代わっていただいていたのですが、その時にこのままだとまずいと強く感じたのがきっかけで英語を学び直そうと思いました。

聞き間違いがそのまま事故になる場面では、代わるほうが安全です。無理に自分で受けることが正解ではありません。

ただし、自分が出た回数は増えない

一方で、代われる人がいる限り、自分の番は来ません。

観光に携わる会社で働く林さんは、当時をこう振り返っています。

時々海外の方からメールやお電話をもらう機会があるんですね。その際すぐにその電話対応を英語喋れるスタッフにお願いしていたんですよ。

そのうえで、続けてこう話しています。

そういった時に、自分でも対応できるようにできたら良いなと思っていました。

例えば、週に1本かかってくる英語の電話を1年ぶん代わってもらうと、その人が英語で電話に出た回数は0本のままです。英語力が上がらなかったのではなく、出る機会そのものが手元に残らなかったということです。

代われない電話は、いつか来る

もう一つ押さえておきたいのは、代われる人がいつもそこにいるとは限らないことです。

精密機器メーカーで国際取引と物流貿易を担当していた方は、電話が必要になる場面をこう話しています。

また、緊急を要する場合は、電話で英語を使って話さなければならない場合もあります。

急ぎの連絡ほど電話で来ます。そして急ぎの連絡ほど、話せる同僚を探している時間がありません。代われるうちに自分の回数を作っておくかどうかが、そのときに効いてきます。

最初は「名乗るところまで」でいい

いきなり全部を自分で受ける必要はありません。出て、名乗って、相手の社名と名前を確認するところまでを自分でやり、その先を代わってもらう。これなら事故の危険を上げずに、自分の回数だけを増やせます。

下西さんも林さんも、代わってもらっている自分に気づいたところから動き始めています。

では、実際に自分で出るとどうなるか。多くの人が次でつまずきます。

電話で聞き取れないのは、対面で使っていた4つが消えるから

自分で出るようになると、相手が何を言っているか分からないという次の壁が来ます。

ここで多くの人が「自分の英語力が足りない」と考えます。ただ、対面ならできている人でも、電話になると急にできなくなります。

対面で使っていたものが、電話には無い

対面で人の話を理解するとき、私たちは音以外のものをたくさん使っています。相手の口の動き、表情、うなずき、手元の資料、ホワイトボードに書かれた図。

電話では、これが全部消え、残るのは音だけです。

会計事務所で電話番を担当する方は、いまの状態をそのまま話しています。

ただ、会計事務所には外国のお客様の来社が多いのと、外国の方から電話がかかってくることがあります。聞き取れないのですが、一応とります。

出てはいるものの、聞き取れない。代わってもらうのはやめられたが、次でつまずいている状態です。

メールにも会議にもある「やり直し」が、電話にはない

電話だけ難易度が飛び上がる理由がもう一つあります。やり直しがきかないことです。

メールは読み返せますし、辞書も引けます。返信までに時間もあります。会議には資料があり、画面共有があり、隣の同僚もいます。聞き逃しても、あとで議事録を見れば追いつけます。

電話には、そのどれもありません。音は流れて消えますし、聞き返せる回数にも限りがあります。

例えば、会議で聞き取れなかった単語は、資料の中に文字で書いてあることがあります。電話では、その単語は音として一度流れたきりです。

相手が変わると崩れるのは、音が変わるから

電話でよく起きるのが、「相手によってできたりできなかったりする」ことです。

国内販売の担当からインドに異動した方は、その差をはっきり語っています。

南アジアや東南アジアの人にとって英語は第二言語なので、伝えられれば良し、というところがあり、不便ではあったけど仕事には支障はなかったです。ですが、その後日本に戻ってイギリスやスウェーデンの会社と電話会議をした際、ネイティブの方が言っている事が全然理解出来ず、ネイティブの方を相手にすると引け目を感じていました。

インドでは支障が出ていませんでした。英語力が落ちたわけではありません。相手の音が変わった途端に、聞き取りだけが崩れたのです。

下西さんも同じことを言っています。

お客様の国籍も様々なので、皆さん訛りが異なり、余計聞き取れませんでした。

例えば、同じ「Can I speak to」でも、話す人によって1つのかたまりで届いたり、語尾がほとんど消えて聞こえたりします。単語を知っているかどうかとは別の話です。

「単語を知らないから」と思っていた人が、音を直したら聞こえた

ここが、いちばん取り違えられやすいところです。

林さんは、聞き取れない原因を長いあいだ別のところに置いていました。

今までは「文法や単語を知らないからリスニングで聞き取れない」と思い込んでいて、必死で文法を理解しようとしたり単語帳を使って単語を覚えようとしていました。でも今回のレッスンを受けて自分もネイティブに近い発音ができるようになったことで、TOEICのリスニングがとても伸びたんです。そこで初めて発音の重要さに気づいて、今では単語を調べる時は意味だけでなく正しい発音も確認するようにしていますね。

単語量を増やしても聞こえなかったものが、自分が出せる音を増やしたら聞こえるようになったという順番です。

音だけが残る電話では、この差がそのまま出ます。聞き取れない人が単語帳を増やしても電話が変わりにくいのは、このためです。

消えている音は、書き取って突き合わせると出てくる

では、どの音が消えているかをどうやって見つけるか。シャベリッシュの記事「英語が聞き取れない5つの原因と対策」は、原因の一つに音声変化の認識不足を挙げています。

英語は、2語以上の単語の組み合わせや英文を読む際に「音声変化」が発生します。たとえば、単語と単語をつなげて発音する「リンキング(連結)」や、単語にもともとある音を一部省略したり弱化したりする「リダクション(脱落)」は代表的な音声変化ルールです。

押さえるべき音声変化は5つに整理されています。単語のアクセント、リンキング(連結)、リダクション(脱落)、フォーカスワード、そしてアメリカ英語の/t/に起きるフラッピングです。

そのうえで、同じ記事は自分の弱点を見つける方法としてディクテーションを挙げています。

スクリプトのある教材を準備して音声を何度も聞きます。これ以上は無理というところまで一字一句書き取ったらスクリプトを見て答え合わせをしましょう。

答え合わせのときに見るところも決まっています。

答え合わせでは、大文字・小文字、冠詞、複数形sの抜け、句読点も細かくチェックしてください。ここで、聞き取れなかった理由を分析することで、自身のリスニングの弱点がわかります。

教材の選び方にも条件があります。ゆっくりの音声を選ぶと、そもそも音の連結や消失が起きません。

教材は、90%以上は知っている単語で構成されているような簡単なものから取り掛かりましょう。また、ゆっくりの音声では音の連結や消失が発生しないことがあるため、ナチュラルスピードが収録されているものをおすすめします。

例えば、聞き取れなかった箇所を「ワナ」とカタカナのままメモしておき、あとでスクリプトを見て `want to` だったと分かる。自分がどの音を落としているかは、書いて突き合わせるまで自分では分かりません。

そして同じ記事は、その先をこう書いています。

人は、自分で発音できない音を聞き取ることができません。すなわち、リスニングを向上させるには、あらゆる英語の音を理解し、自ら再現できるようになる必要があります。

林さんに起きたのは、まさにこの順番でした。単語を増やすのではなく、自分が出せる音を増やしたことで聞こえるようになっています。

聞き取れるようになると、次に残るのは返す側です。

返せないのは中身ではなく、口から出るまでの速さ

聞き取れているのに、言葉が出てきません。ここでつまずいている方は少なくありません。

多くの場合、原因は英語の知識でも話す中身でもありません。返し方の型を持っていないので、毎回ゼロから文を組み立てていることです。

聞き取れても、しどろもどろになる

大学の運営に携わり、海外の大学へ訪問調査に行く方は、以前の自分をこう話しています。

私は職業柄、英語で電話がかかってくることが度々あるのですが、これまではしどろもどろな応答になっていました。

電話がかかってくること自体は日常だった方です。それでも、出るたびに詰まっていました。

電話の受け答えには型がある

同じ方が、変化のきっかけをこう語っています。

しかし、サバイバルイングリッシュのレッスンの中で、電話がかかってきた時のフォーマルな応答の仕方を学べたので、今後仕事で活用できると思っています。

覚えたのは英語全体ではなく、電話がかかってきたときの応答の形でした。

型は、実際に電話を使って試す

型は覚えただけでは口から出ません。人事採用の方は、レッスンで実際の電話を使っています。

電話でのインタビューのレッスンもミライズ留学の卒業生に連絡を取ってもらって、実際に彼と電話インタビューのロールプレイングを行う授業をしたりとすごく実践的なことを学べました。

映像の仕事をする佃さんも、同じ形で練習しています。

例えば、電話でクライアントにアポイントを取る、スカイプで交渉する、ただのレッスンではなく、先生の電話やPCを使って「じゃ、実際にやってもらうから」と言われた時には焦りました!

そして滞在の終わりには、こう話しています。

行きのタクシーは目的地を伝えるので精いっぱいだったのに、帰りは自分で電話予約できましたよ。

相手の顔が見えない状態で、実際に受話器を持って話す。この形で練習しないと、対面ではできたことが電話でできません。

覚えるより先に、電話の場面だけを声に出して練習する

先ほどの方が受けていたサバイバルイングリッシュについて、ミライズは別の受講者のインタビューの中で授業の中身をこう説明しています。

サバイバルイングリッシュの授業は日常生活において必ず発生する場面を想定したショートトークを練習します。ミライズのサバイバルイングリッシュの授業では座学だけではなく、他の講師や時には生徒様も交えたロールプレイングを多く取り入れています。

同じ授業を受けた方も、印象に残ったこととしてこう話しています。

個人的にはサバイバルイングリッシュの授業が楽しかったです。いろいろな場面に合わせたロールプレイをしてくれたので、とても勉強になりましたし、日常生活でも役に立つと感じました。

フレーズを覚える授業ではなく、場面を決めて声に出す授業です。電話の受け答えが変わった方が学んだのは、この形でした。

先ほどのECCの調査でも、効果的だと思う学習法として「実際の仕事の場面を想定したロールプレイ」が一般社員49.7%で最多、管理職でも46.3%が挙げています(複数回答・最大3つ)。同じ調査では、会議・商談に不安や緊張を感じている人ほどロールプレイの支持率が高い傾向も報告されています。

例えば、電話がかかってきて名乗り、相手の社名を聞き返して担当者に代わるところまでを、誰かに相手役になってもらって声に出す。読んで覚えるのではなく、口から出るところまでやります。

今後英語を使う仕事に移る予定の方は、身につけたいことをこう言い切っています。

あとはメールや電話で使う英文を自分で組み立てられるようになりたいです。

「英語を話せるようになりたい」ではなく「電話で使う英文を自分で組み立てる」。やることが1つに決まっています。

45歳から本格的に英語を始めた下山さんは、いまの状態をこう話しています。

日々のメールや電話会議の中でも英語を使える様になり

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明日やること。3つのうち自分に当てはまる1つだけ

ここまでで、自分がどれに当てはまるかは決まったはずです。あとは、その1つだけを明日から始めます。

いまの自分明日やること
話せる人に代わってもらっている代わってもらう前に、自分が出て名乗るところまでやる。その先は代わってよい
出るが、何を言っているか分からないスクリプトのある教材をナチュラルスピードで聞いて一字一句書き取り、答え合わせで冠詞や複数形sの抜けまで見る
聞き取れるが、返す言葉が出ない電話がかかってきた場面を決めて、相手役を立てて声に出す

3つを同時にやる必要はありません。自分に当てはまるのは1つなので、残りの2つを練習しても電話は変わりません。

まず1週間、その1つだけを続けてみてください。進んだかどうかは、英語力ではなく回数で見ます。自分が出た本数、正体が分かった音の数、声に出して練習した回数。数えるものを1つ決めておくと、変化が見えます。

まとめ|電話が無理なのは英語力ではなく、困りごとを取り違えているから

英語の電話が無理だと感じるとき、足りていないのは英語力ではありません。困っているのは「代わってもらっている」「聞き取れない」「返せない」のどれか1つです。

電話だけが極端に難しくなるのは、対面で使っていた相手の口の動き・表情・資料が全部消えて、音しか残らないからです。だから相手が変われば崩れますし、単語量を増やしても変わりません。ECCの調査で一般社員が困った場面として挙げたのも、準備する余裕のない突発的な場面でした。

林さんは、聞き取れない原因を「文法や単語を知らないから」だと思い込んでいました。実際には音のほうでした。自分の困りごとを取り違えたまま練習すると、時間をかけても電話は変わりません。

代わってもらっているなら、名乗るところまでを自分でやる。聞き取れないなら、消えている音を見つける。返せないなら、電話の場面を決めて声に出す。直すのは、1つだけで足ります。

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