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英語と昇進|点を求められている人と、上がってから使う人ではやることが違う

ビジネス英語

昇格の面談で、英語の話が出た。社内公募の要件にも「英語力」と書いてある。会議では部下のほうが先に発言していて、自分は相槌を打っている——そんな経験はないでしょうか。

「英語 昇進」と検索すると、必要なTOEICスコアの目安が並びます。けれど、その点を取ったあと自分に何が起きるのかまでは書かれていません。本当に知りたいのは、点を取った先に何が待っているのか、ではないでしょうか。

車の部品の設計を支える部署で働く方は「会社でも今後TOEICで600点以上ないと昇格させないと言っています」と話します。バレーボールの世界大会の仕事をする方は「英語力がないとその責任者にはなれないので」と語り、米国系の会社で営業の責任者を務めた北野さんは、外国人の上司の意見を日本人の部下に伝える場面で英語の必要性を感じたと振り返ります。3人が置かれている状況は、同じではありません。

いずれも、英語コーチングスクール・ミライズの受講者です。公式サイトには200件以上の体験談が、本人の言葉のまま公開されています。この記事では、調査と体験談から、昇進の前と後で英語の求められ方がどう変わるかをお伝えします。

昇進すると、英語の困り方が変わる。一般社員300人と管理職300人の差

昇進に英語が要るかどうかを考える前に、見ておきたい数字があります。苦手なものは役職が変わっても同じで、変わるのは困る場面のほうです。

苦手なのは、どちらもスピーキング

社会人が英語のどの場面で困っているかを、役職ごとに分けて調べた調査があります。株式会社ECCが、仕事のために英語力を養いたいと考えている会社員600名(一般社員300名・管理職300名)に行った「社会人の英語力に関する調査」(2026年2月20日〜3月2日・インターネット調査)です。

英語力不足で業務上困った経験がある人は、6割を超えました。4技能のうち最も苦手なものはスピーキングで、一般社員41.0%、管理職38.7%と、どちらも最多です。

英語で会議や商談を行う際に不安や緊張を感じる人も、一般社員で62.0%(「強く感じる」25.3%、「やや感じる」36.7%)でした。

つまり、上がったから英語が得意になるわけでも、苦手な技能が入れ替わるわけでもありません。

変わるのは、困る場面のほう

同じ調査で、困った場面を聞くと、役職で内容が分かれました。

一般社員が挙げたのは、外国人の「来客対応」「接客時」など、準備する余裕のない突発的な場面です。課題は「話せない」に集中していました。

一方、管理職が挙げたのは「契約交渉」「国際会議での質疑応答」「海外出張での現地会議」など、ビジネスの意思決定に直結する場面でした。課題も「聞き取れない」「伝えきれない」の両方を抱えています。

例えば、同じ「聞き取れなかった」でも、来客対応なら聞き返せば済みます。契約交渉では、聞き返すこと自体が判断の遅れとして受け取られることがあります。

英語力の総量ではなく、間違えたときに何が起きるかが変わっています。

いまの自分はどれか

「英語 昇進」で検索する人は、たいてい次の3つのどれかにいます。

いまの自分読む章
会社に「TOEICで◯点を取れ」と言われている次の章
英語ができれば上のポジションに行ける、と言われたその次の章
上がってから、部下と上司のあいだで英語を使う立場になったさらにその次の章

自分に当てはまるところから読んでください。まずは、点数を求められている場合から見ていきます。

「TOEIC600点ないと昇格させない」と言われたら、点の前に決めることがある

会社が昇格の要件にスコアを置く。これは珍しいことではありません。そして基準そのものは、会社にとって合理的です。

会社が点数で線を引く理由

英語力は、外から見えません。誰がどれくらい話せるのかを人事が一人ずつ確かめるのは現実的ではないので、共通のものさしとしてスコアが使われます。

車の部品の設計を支える部署で働く方は、自分の仕事をこう説明しています。

元々は車の部品の設計をしていて、今はその設計をサポートする部署にいます。

その部署で英語を使う場面も、具体的です。

私自身はたまにですが、海外のグループ会社各社にさっき言ったようなルールなどを説明したり調整をしたりしています。時には、海外の設計者からの問い合わせに回答したりしています。

そのうえで、会社の方針をこう話しています。

また会社でも今後TOEICで600点以上ないと昇格させないと言っています。

点を取る前から、部下に言う立場にいる

この方の言葉には、続きがあります。

そんな中で、部下に対しては「とれとれ」言っていますが、自分がまだとれてないのでまずは背中を見せようかなと(笑)。

点を取ってから部下ができるのではなく、点を取る前からすでに部下がいます。 昇格要件のスコアを追いかけている段階で、もう「見られる側」に立っています。

何のために取るのかを、先に決める

例えば、同じ600点でも、海外からの問い合わせメールを読むために取るのか、会議で自分から発言するために取るのかで、そのあとの練習はまったく変わります。前者ならリーディングと語彙、後者なら口に出す量です。

スコアの目安そのものは社会人の英語勉強で扱っています。ここで決めておきたいのは、その点を何に使うのかのほうです。

一方、点数ではなく「英語ができること」そのものが条件になっている場合もあります。

「英語ができれば上に行ける」は、たいてい期限つきで来る

英語ができると、いまのポジションより上に行ける。そう言われている方がいます。この場合、話は「いつか」ではなく「いつまでに」で来ます。

条件として言われた人の話

冒頭で触れた、美容師と飲食店とバレーボールの仕事を掛け持ちしている方は、働き方をこう説明しています。

ずっと美容師だけをしていたのですが、現在は飲食店とバレーボールの仕事3つを掛け持ちでやっています。

英語を使うのは、そのうちの1つです。

バレーの仕事をする際、世界大会の仕事もさせていただいていて、世界の人達と話をする機会があります。英語が話せると今の部署の責任者になれる可能性があったので来年のオリンピックまでに自分がそうなれたらなと思っているんです。英語力がないとその責任者にはなれないので。

「英語力がないとその責任者にはなれない」。条件がはっきりしていて、しかも期限が外から決まっています。

期限があるから、動けた

この方は、6か月の休みを取って学びに行っています。

フリーランスでやってるのでわりと好きな時に休みが取れて、今回も6か月休みを取って来ました。

例えば、「いつか話せるようになりたい」のままだと、来月に回しても困りません。「来年の大会まで」に変わると、来月に回した分がそのまま足りなくなります。期限は、やる気ではなく計算を変えます。

自分の場合の期限がはっきりしないときは、いつまでに、何ができれば条件を満たすのかを、言った相手に確認するところから始まります。

では、実際に上がったあとは何が起きるのか。

上がると、英語は「自分が分かればいい」では済まなくなる

ここが、スコアの相場表には書かれていない部分です。役職が上がると、英語を使う相手が変わります。

上司の意見を、部下に伝える

米国系の眼科医療系の会社に約30年勤めた北野さんは、当時の立場をこう話しています。

約30年間、米国系の眼科医療系の会社に勤務しており、直近では営業の責任者をしていました。

その立場で英語が必要になった場面を、こう振り返ります。

ずっと外資系の会社で働いていたので、上司が外国人であることがほとんどでした。また、外国人の上司の意見を日本人の部下に伝えなければいけない時や会議を英語で行う時、そして私は営業の責任者として数字に対しての責務等を、英語での会話の中で迅速に決断を迫られた度に、英語の必要性を感じていました。

聞く・訳して伝える・その場で決める。この3つが同時に来ています。自分が理解できればいい、という段階ではありません。

部下の前だと、話しにくくなる

立場が上がると、聞かれる側になります。獣医師の中村さんは、受講前の自分をこう話しています。

ハツオン受講前は、同僚や部下が英語を喋っていると萎縮してしまう自分がいたのですが、ハツオンを受講した後は英語を話す時に心の余裕と自信が生まれるようになったんです。

萎縮する相手が、取引先ではなく部下だという点が、この段階の特徴です。

相手の役職が上がると、声をかけにくくなる

逆の向きもあります。信託銀行から空港の企画部門を経て外資系不動産へ移った方は、話しかけにくさをこう説明しています。

特に相手の外国人がマネージャークラス以上だとさらに声が掛けにくかったりするわけです。

逃げ場がなくなる

グローバルプロジェクトに関わる方は、当時の環境をこう話しています。

顧客も外国の方になりますし、上司もイタリア人になり、部下もイタリア人、イギリス人、オランダ人、アメリカ人、日本人で構成され、24時間英語を使い続けなければならない環境でした。

先ほどのECCの調査で、管理職が「聞き取れない」「伝えきれない」の両方を抱えていたのは、この状態を指していると考えられます。同じ調査では、経験を重ねるほど「正確に伝えなければならない」というプレッシャーが増す傾向も報告されています。

役職に見合った話し方まで見られる

人事採用の方は、講師から言われたことをこう振り返っています。

英語を学ぶことはどこでもできると思うんですけど、ミライズ留学では先生たちから、「あなたはHRマネージャー(人事責任者)なんだからしっかりプリントを手に持って相手の顔を見ながら話しなさい。面接の時もそうでしょ?」と言って頂いたり

内容が合っているかだけでなく、その役職の人としてどう見えるかまでが範囲に入ってきます。

では、この段階の人は何を練習すればいいのか。

管理職の半数が挙げたのは「講師とのトーク」

やり方の話に移ります。ここも、思いつきではなく調査に出ています。

調査が示している方法

先ほどのECCの調査で、効果的だと思う学習法を聞いたところ、管理職では「講師とのトーク」が50.3%で最多でした。一般社員では「実際の仕事の場面を想定したロールプレイ」が49.7%で最多です(複数回答・最大3つ)。同じ調査では、会議・商談に不安や緊張を感じている人ほどロールプレイの支持率が高い傾向も報告されています。

教材を読む時間ではなく、人を相手に話す時間が選ばれているということです。

部下の前で萎縮していた人が、変わったきっかけ

先ほどの中村さんは、変化の理由をこう説明しています。

率直に言うと、本当に良かったです!自分の発音が改善された事で、自信を持って英語を話すことができるようになりました。

きっかけは、語彙でも文法でもなく発音でした。例えば、同じ内容を話していても、聞き返される回数が減るだけで、部下の前で口を開く負担は変わります。

この方は、そのあとの見通しもこう話しています。

具体的には、「自分はひとまず発音はクリアできた。あと残すは、英語を使う場数や単語量だけ対策をしたら大丈夫だ」こう思うようになりました。

何が残っているかが見えている状態です。

管理職の3人に1人は、英語に割ける時間がほぼゼロ

方法が分かっても、時間が出てきません。これも同じ調査に数字が出ています。

時間が取れないのは、意欲の問題ではない

同じ調査に、時間についての数字も出ています。株式会社ECCが会社員600名(一般社員300名・管理職300名)に行った「社会人の英語力に関する調査」(2026年2月20日〜3月2日)では、英語学習に割ける時間が「ほぼゼロ」と答えた人が、一般社員31.3%、管理職32.7%でした。役職が上がっても時間は増えず、むしろ会議と判断が増えます。

同じ調査で、学習に取り組める条件として最も多かったのは「業務時間内の学習時間確保」で、両世代とも40.7%です。上位3項目はすべて会社の制度的な支援でした。

自分の意志だけで時間を作る前提になっていないということです。

制度がないなら、場面を1つに絞る

会社に制度がない場合、増やせるのは時間ではなく、使う場面の絞り込みのほうです。

例えば、月に1回の英語会議しかないなら、練習するのはその会議で自分が話す番の受け答えだけで足ります。契約交渉が控えているなら、数字と条件を言い切る言い方に絞ります。全部を底上げしようとすると、ほぼゼロの時間では届きません。

グローバルプロジェクトに関わる方も、次にやることを1つに決めていました。

まずは、もう一度グローバルプロジェクトに戻って、継続的に英語を使える環境に身を置き、ミライズ留学での留学に来る前の4ヶ月間より、さらに上司や部下、お客さんと英語でコミュニケーションが取れるようになっていきたいと思っています。

環境を先に決めて、その中で伸ばすという順番です。

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明日やること。3つのうち自分に当てはまる1つだけ

いまの自分明日やること
TOEICで◯点を取れと言われているその点を何に使うのか(資料を読むためか、会議で発言するためか)を1行で書き出す
英語ができれば上に行けると言われたいつまでに、何ができれば条件を満たすのかを、言った相手に確認する
上がって英語を使う立場になった直近1か月で英語に詰まった場面を3つ書き出し、相手が誰だったかを添える

3つを同時にやる必要はありません。当てはまるのは1つなので、残りの2つを進めても、いまの状況は変わりません。

英語をいつ始めるかで迷っている場合は、英語とキャリアで、仕事の変わり目ごとの判断を扱っています。

まとめ|昇進で変わるのは英語力ではなく、間違えたときの責任

昇進のために英語をやる、と考えると、話が「どれくらいできればいいのか」に流れます。ただ、600人の調査が示していたのは、苦手な技能は役職が変わっても同じで、変わったのは困る場面のほうだったということでした。

一般社員が困っていたのは、準備できない突発的な場面。管理職が困っていたのは、契約交渉や国際会議の質疑応答など、決めた内容がそのまま結果になる場面です。

だから、点を求められている段階と、上がって部下と上司のあいだで使う段階では、やることが違います。前者はその点を何に使うのかを決めること、後者は詰まった場面と相手を書き出すことから始まります。

自分がどこにいるかを決めれば、明日やることは1つに絞れます。

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