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外資系転職に英語はどこまで必要か|TOEICが高くても仕事で困る理由

ビジネス英語

外資系の求人を眺めながら、「英語力:ビジネスレベル」の一行で手が止まる。TOEICの点数はあるけれど、話せと言われたら自信がない。内定が出た人は出た人で、「入社日までに何とかしなければ」と焦り始める。応募をためらう側と、入社日に間に合わせる側。外資系転職の英語の悩みは、この2つに分かれます。

「外資系 転職 英語」で検索すると、転職エージェントがまとめた「業界別・職種別に必要なTOEICの目安」が並びます。目安は分かりました。けれど、本当に知りたいのは、実際に転職した人が内定から入社までに何をしたのか、ではないでしょうか。

準備を先送りした結果は、数字に出ています。エン・ジャパンが運営する転職サイト『ミドルの転職』の「30代のうちにやらずに後悔したこと」調査(n=1,580、2024年3月〜5月)によると、35歳以上の利用者が30代のうちにやらずに後悔したことの1位は「語学力取得」で49%。2位の資格取得(45%)を上回ります。キャリアの転機に立った人たちの回答である点は差し引くとしても、転職という場面になって初めて、英語の後回しは悔いに変わります。

実際に外資系へ転職した人がいます。2022年8月に外資系企業へ転職した中津さんは、英会話を続けていて、自分の言いたいことは言える状態で入社しました。それでも週1回の英語の会議では壁に当たり、次に何を準備すべきかを自分で決めて動いています。準備の中身は、TOEICの点数ではありませんでした。イギリス赴任を控えていた化学業界で経営管理を担当するH・Tさんも、赴任が決まった時点でリスニングとスピーキングの強化が要ると考え、動かない日付から逆算して準備を始めています。

2人が向き合ったのは、点数ではなく、赴任先・転職先で最初に来る実務の場面でした。点数が足りていても足りていなくても、実務で測られるものは同じです。2人はいずれも、ミライズの発音プログラムの受講者です。公式サイトには200件以上の体験談が本人の言葉のまま公開されており、外資系への転職や海外赴任を機に学んだ人の声も残っています。この記事では、その声をもとに、外資系転職の英語を何から・いつまでに準備すれば間に合うのかを見ていきます。

外資系転職に必要な英語力——点数の目安より先に知るべき実態

この章では、転職エージェントが示す点数の目安と、入社後に実際に測られるものの違いを見ていきます。目安を否定するためではなく、目安の次に何を準備するかを決めるためです。

市場では「TOEIC○○点以上」が目安。でも入社後に直面する現実はそれだけではない

「外資系 転職 英語」というキーワードで検索をしてみると、上位に表示されるのはほぼ一定です。転職エージェント各社が公開している「業界別・職種別に必要なTOEIC目安」の一覧です。営業職は600〜700点、管理職・企画職は700〜850点、経営層やコンサルタントは800点以上——。こうした数字は、外資系企業への転職を検討している人の多くが参考にしています。

目安が間違っているわけではありません。ただし、市場の構図はこうなっています。転職希望者は「TOEIC850点あれば大丈夫だろう」という目安を頼りに、その点数を目指して準備を進めます。一方、実際に転職し、入社後の実務に直面した人たちが見ている景色は異なります。

TOEIC845点でも「通じない」壁がある

自営業の古庄さんは、その一例です。スコアを軽視していた人ではありません。フルタイムで働きながら、半年ほど本やYouTubeで勉強し、独学でTOEIC845点と英検準一級に到達しました。さらに、オンライン英会話を2年間毎日続けています。その古庄さんが長年抱えていたのが、「スコアは持っているのに、通じない」という発音のコンプレックスでした。

古庄さんが準備段階で行っていた独学の方法も、その限界を映し出しています。古庄さんは自分の声を録音していましたが、「聴くのが苦痛でした」と語っています。試験の点数を取ることと、実際に相手に通じる音を作ることは、別のことです。「自分の発する音が本当に合っているか分かっていない」という状態のままでも、テストの成績は向上してしまいます。

試験で測るものと、職場で測られるものは違う

なぜ、この違いが生まれるのでしょうか。

TOEICは読む・聞く能力を測定する試験です。リスニング問題では、音声が流れ、選択肢から答えを選ぶ形式になっています。完璧な発音を自分で発話する必要はなく、相手の話す英語を理解し、適切な答えを認識することが求められます。受験者は、自分がどう聞こえるかではなく「相手の音をどこまで正確に理解できるか」を測定されます。

一方、転職先の職場での実務はどうか。最初の1〜2週間で当たる場面——朝礼での自己紹介、会議での発言、メール以外の直接的な電話連絡——では、自分が相手に理解されるかどうかが直接的に測られます。その瞬間に求められるのは、相手が認識できる音の正確さと反応速度です。試験室で答えを選ぶのとは、全く異なる環境です。転職先の同僚やマネージャーは、「この人の英語は通じるのか」を毎日のコミュニケーションの中で判定しています。

この違いに、転職後の職場で直面したのが冒頭の中津さんです。週1回の英語会議で、自分の発した英語が違う単語として文字起こしされていました。そこで中津さんは「次に改善すべきは発音だ」と自分で特定し、学習の方向を変えました。TOEICのスコアを伸ばすことではなく、会議で実際に相手に通じる発音とリスニングを鍛える方へ。その結果、会議で聞き返される場面がほとんどなくなりました。この経緯は、実録の章で時系列で追います。

同じスコアでも、入社後に消耗する度合いはまるで違います。入社までの間に、点数ではなく、場面での通じ方を準備するかどうか——この判断が、入社後の毎日を変えます。

転職エージェントが提供している目安は、あくまで「テスト上の点数基準」です。企業が求める英語力そのものではなく、参考値です。実務で必要なのは「テストのスコア」ではなく「最初の実務場面で相手に理解される状態」を作ること。これが、転職希望者が点数の目安を見た後に、本当に準備すべき内容です。

目安の数字にも幅があります。例えば同じ「営業職」でも、海外拠点と毎週会議をする職種と、国内顧客が中心で英文メールを読む程度の職種では、求められるものがまったく違います。前者は話す力が毎週試され、後者は読み書きだけで数年回ることもあります。

求人票の一行は、その職種で実際に英語を使う場面までは書いていません。だからこそ、点数を確認した次にやることは、点数を上積みすることではなく、応募先で自分が英語を使う場面を具体的に想像することになります。

では「英語に自信がないなら外資系は無理」なのでしょうか。転職した人たちは、そうは言っていません。

「英語ができないから外資系は無理」ではない——転職を機に始めた人たち

外資系への転職を考える人の多くが、「完成した状態になってから動こう」と考えています。ところが、実際に転職した人が踏んだ順序は、それとは違いました。転職が先で、英語が後です。

転職が先、英語が後——実際の順序

英語が得意だから外資系に転職するのではなく、転職が学習の起点になった人たちがいます。

ITコンサルタントのパクさんは、外資系の会社への転職を決めるまで、こう語ります。

いずれは英語の学習をしなきゃと思いつつも、ずっと後回ししてきました

転職が決まると、状況は変わりました。

外資系の会社に転職をしたのが大きなきっかけになりました。外国人の同僚や本社や他国の支社の人と交流がある際にあまり話せないので、言葉の壁なく色んな人とコミュニケーションを取れるようになりたい

学習の「いつか」が「今」に変わった瞬間です。

パクさんは「好きじゃなかったので10年以上の間、英語から全力で逃げてきました」とも語っています。転職後は、「今となっては逃げ場がないので、もう避けられないですね」という状態です。転職という期限が来るまで、英語学習は後回しでした。

人材業界で働くY・Yさんは、課題を抱えたまま学習が止まっていました。

やっぱり発音ですね。留学していたときにスムーズに相手に思いが伝わなくて、一時期英語で話すことがトラウマになってしまったんです

大学時代に英語を学んで以来、スクールに通うことも自己学習の習慣もないまま社会人になりました。それでも、コーチと二人三脚で進む形を選んだことで、学習が再び動き出しています。

例えば、忙しい週は自己学習の量を相談して減らす。止めるのではなく、量を調整して続ける。一人だと「今週はできなかった」で終わる週が、相手がいると「今週は短くやった週」に変わります。

共通するのは、完成してから動いたのではなく、仕事の転機が学習の起点になったことです。

面接は「流暢さ」より「準備した場面」で乗り切る

外資系の英語面接では、何が測られているのでしょう。

多くの人が「英語力の総合試験」だと考えますが、実際には違います。英語の面接で問われることはほぼ決まっています——自己紹介、職務経歴、志望理由、実績。準備の範囲で答えられる問いばかりです。

TOEIC845点と英検準一級を持つ古庄さんでさえ、「自分の発音が本当に合っているのかが分からず、独学の限界を感じた」と課題を抱えていました。ところが、発音のトレーニングを受けたあとは、こう変わっています。

シャベリッシュを受講して自分の英語が大好きになり、英語面接の際も自信をもって受け答えができたのを覚えています

カナダでの英語面接という、緊張がいちばん高まる場面での変化です。本人の工夫も残っています。

できるだけ大きな声で大げさに話すようにしていました

面接は英語力のすべてを測る試験ではなく、準備した場面の再現です。

セルフ診断——あなたはいまどの段階にいるか

次の5つのうち、当てはまるものを選んでください。段階によって、先にやることが変わります。

診断Q1: 求人の「英語力」表記を見て、応募をためらっている

診断Q2: 英語面接の予定があり、何を準備すべきか分からない

診断Q3: 内定は出たが、入社日までに何をするか決まっていない

診断Q4: 入社直後で、会議・メール・電話に毎日消耗している

診断Q5: 「いつか外資系へ」と思っているが、期限がなく学習も始まっていない

段階ごとに、先にやること

Q1・Q2なら、話す場面を1つ決めて、声に出して確かめます。面接で聞かれることは、ほぼ想定できます。自己紹介を30秒版と2分版で用意し、志望理由と職務経歴を英語で3分に整えて、録音して通じるかを測ります。面接官は流暢さではなく、あなたの実績と意思を聞いています。パクさんが「単語でしか話せなかったのですが、以前に比べたら、今は文章で先生と会話ができるようになりました」と述べた変化も、場面を絞った練習から始まっています。

Q3が、いちばん動きやすい段階です。入社後に最初に話す場面——会議での発言、自己紹介、電話対応——を1つ選んで、そこだけ先に仕上げます。期間が限られているときほど、この絞り込みが効きます。柳田さんは、限られた時間で進めるやり方についてこう述べています。

自分のライフスタイルに合わせて、学習の方法や時間を一緒に管理していれるので、忙しい方ほどコーチングプランがおすすめです

Q4なら、音と入り方に絞ります。直近の会議で聞き返された単語、伝わらなかった表現を書き出し、自分の発音がどこで止まっているのかを特定するところからです。すでに入社しているぶん、実務のなかに材料があります。

Q5なら、まず転職活動を始める日を決めます。その日から逆算して、入社後最初の場面で通じる状態を作ることを目標にします。柳田さんが「英語の学習を継続できるように、お尻を叩いてくれるような存在でいてくれたので助かりました笑」と述べたように、期限と伴走者があると学習は進みます。

では、実際に外資系へ転職した人は何を準備したのか。中津さんの準備を時系列で見ます。

実録:外資系に転職した中津さんが、会議で通じる音を作るまで

転職が決まってから、入社後に課題を特定するまで。中津さんの準備を時系列で追います。

出発点:2022年8月、外資系へ

2022年8月、中津さんは外資系企業へ転職しました。現在の仕事はイーコマースの運営を担当しています。転職前から英会話レッスンを受講していたため、「自分の言いたいことは言える」状態で入社日を迎えました。

すでに話せる状態で転職したのに、なぜ次の準備が必要だったのか。それは、入社直後に気づくことになります。

入社後の壁:週1回の英語会議で「通じない」を経験

入社後、中津さんはすぐに週1回の英語会議に参加し始めました。ここで想定外のことが起きます。

発音を間違えていたせいで自分の発した英語が違う単語として文字起こしされてしまうことも度々ありました

Web会議では、AIが自動で発言を文字起こしします。その文字起こしが正しく取られません。同僚に残った記録と、自分が話したつもりの内容が食い違います。会議後に確認して初めて気づく——自分の音は、相手に正確に伝わっていませんでした。

「話せる」と「通じる」は別の話でした。語彙と文法で「自分の言いたいことを形にする」ことはできます。会議で正確に音が相手に届くのは、別の技術です。

課題の特定:「次は発音だ」

中津さんは自分の課題を決めました。「円滑に会議を進めるために次に改善すべきは発音だ」。

転職前には間に合いませんでした。それでも、毎週の会議が課題をはっきりさせました。そこで発音専門のコーチングプログラムの受講を決めました。

プログラムは2か月で完結する集中型でした。週に2回のレッスンと毎日90分の自己学習。会議が始まり、仕事の実務が始まった状態での集中学習です。

レッスンの流れは、スモールトーク(5分)→ フィードバック(5分)→ 音の学習(「L」と「R」の違い、「V」と「B」の違いなど)→ スピーキングアクティビティ(TEDトークの音読)。最初の10分間は「日常的に使う英語の発音を修正」することで、仕事の場面そのものから学びました。「これはレッスンで学んだ発音だ」と気づく瞬間が毎週増えていきました。

独学では気づけない部分が次々と出てきました。例えば、日常的に使っていた英単語のアクセントが全く違う位置にあったこと。「prefecture(県)」を、単語の後ろにアクセントを置いて発音していたのが、実は「pre」にアクセントをおかなければならないと知って「これまでの常識が覆された」のです。また、2つの音が繋がって発音する「リンキング」という現象も、それまで全く意識していませんでした。

レッスンで印象に残ったのは、講師の教え方でした。

講師が実際に顔を横に向けて発音の仕方を教えてくれた

講師が顔を横に向けて見せてくれるので、舌の位置やあごの開き具合が目で見て分かります。

実際にやってもらったほうが分かりやすいですし、記憶にも残りやすいのですごく良かったです

資料の説明だけでは分からない部分が、ここで埋まりました。

プログラム期間中、毎日90分の自己学習も並走していました。レッスンで学んだ発音を定着させる時間です。転職前から英会話の復習時間を確保していた中津さんは、その時間帯にシャベリッシュの復習を組み込んで、「時間確保には困りませんでした」と言います。この継続が変化を生みました。

変化:聞き返されなくなるまで

2か月のプログラムを終えた後、変化が起きました。

ウェブ会議で発音する際に自動的に英語が書き起こされるのですが、そこで自分の発音が正しく認識されるようになりました!

以前は「play」が「pray」と記録されることもあったのが、いまは正確に認識されます。同僚からの反応も変わりました。

アメリカ人メンバーにも聞き返されることもほとんどなくなった

中津さんの意識は、いま会議の内容そのものに向いています。自分の発音を気にする時間が要らなくなったぶんです。

なぜ効いたのか:耳で聞いた音で判定される場だったから

「話せる」と「会議で通じる」の間には違いがあります。TOEICは正答を選ぶ試験ですが、会議で相手が判定するのは、耳で聞いた音です。

中津さんのように英会話を続けてきた人も、会議という実務の場に入ると「独学では気づけないであろう部分」が出てきます。アクセント、リンキング、舌と唇と顎の動き。自分で音を出して聞き直すだけでは、合っているかを判断できません。

転職直後にまず出やすいのは、この音の課題です。語彙はあるのに通じない——足りないのは点数ではなく、音の精度でした。毎週の会議と並走させたことで「レッスンで学んだ発音だ」と仕事のなかで気づく機会が増え、定着が早まっています。

あなたがやるなら

中津さんの準備から3つのステップが見えます。

ステップ1:最初の実務場面を1つ特定する

入社後に最初に話す場面で何を話すかは、ほぼ決まっています。中津さんのように「毎週英語会議」という明確な場面がある人は、その場面を軸に準備を組み立てることができます。場面が決まれば、準備する英語の内容も、確かめ方も決まります。

ステップ2:その場面の英語を声に出して、通じるかを測定する

紙に書いた英語をそのまま読むのではなく、実際に声に出してスマートフォンの音声入力で試します。「play」が「pray」と認識されないか、アクセントが正確に拾われているか。中津さんが会議の文字起こしで自分の音のズレに気づいたのと、同じ確かめ方です。認識がズレた箇所が、音の課題だと分かります。

ステップ3:音に切り替える。入社日から逆算して集中期間を確保する

もし測定結果が「音」の問題なら、点数の上積みではなく、発音・聞き取りの訓練に切り替えます。中津さんは入社後に気づきましたが、内定が出た段階でこの判断を先にしておく。入社日から逆算して「この期間は発音・聞き取りに集中する」と決め、毎日の自己学習と週複数回の講師からのフィードバックを並走させる。それが転職後の消耗を減らす準備になります。

中津さんは入社後に課題を特定しました。では、内定から入社までの期間がある人は、その時間をどう使えるのか。

内定から入社までの準備——期限を使い切った人たちの3つのパターン

実際に転職や赴任を機に準備した人たちの実録から、3つの型が浮かび上がってきます。

型1. 赴任・入社の日付から逆算する

転職・赴任の日付が決まった瞬間が、学習を始めるタイミングになります。入社日は動きません。期限が決まると「いつかやろう」が「いつまでにやるか」に変わります。

冒頭のTさんは、化学業界の会社で経営管理の仕事をしています。2022年4月からイギリスに赴任することが決まったとき、すぐに準備に取りかかりました。

赴任が決まった際にリスニング力とスピーキング力の向上は不可欠だと考えました

動かない締め切りがあったので、何を優先するかがはっきりしています。

なぜ効くのか。期限があると「何を・いつまでに」を決めるしかなく、その期間でできることが限られるので、本当に必要な準備が残ります。期限がないと、学習は「より完璧に」の方へ流れます。入社日が決まると、その日までに通じる状態を作るという目標に切り替わります。

あなたがやるなら、まずはカレンダーを開いてください。

  1. 内定日から入社日までの日数を数える
  2. その期間で実際に確保できる学習時間を試算する
  3. 「会議で初めて発言するまでに通じる状態を作る」を目標に置き直す

そのうえで期間を3つに分けます。最初の1〜2週間は現状把握、中盤は集中練習、最後の数日は本番と同じ場面での通し練習です。期間が決まれば、配分も決まります。

型2. 自分の仕事を英語化しておく

転職後に最初に話すのは、自分の職務経歴と現在の業務です。汎用の英会話より、自分の職業を英語化する方が、面接にも入社後にも効きます。

経営者の北島さんは、自分の仕事に関する独自の英語スクリプトを作りました。

先ほどお話しした、仕事に関する独自の英語スクリプトのおかげで、いつでもどこでも誰とでも自信をもって話せます!

職業や業務内容を英語にしておくと、面接での志望理由も、入社後の初回ミーティングも、その土台の上に載せられます。

なぜ効くのか。転職での面接で聞かれることは、ほぼ決まっています。自己紹介、現在の職務内容、これまでのキャリアと実績、転職理由。これらに通用する英語を事前に用意しておくことで、緊張で言葉が出ない状況を避けられます。汎用的な英会話テキストを繰り返すより、自分の職業を説明する英語を反復する方が、実務で使う場面が先に来るからです。

あなたがやるなら、職務経歴を英語で3分で話せる形に落とし込んでください。①現在の職務内容 ②これまで携わった案件と成果 ③その中で最も誇りに思うプロジェクト。この3点を音読用のスクリプトに。次に、それを録音して、本当に通じるかを測ってみてください。スマートフォンの音声入力に流すと、AIが理解した内容が返ってきます。AIが理解できなかった単語やフレーズは、相手にも聞き返される可能性があります。その箇所の発音や言い回しを直す。この反復が、通じる英語を作ります。

型3. 「今やらないと後悔する」が学習を始める最後の理由

キャリアの転機は、準備が完璧になるまで待ってくれません。

看護師として日本で働いていた吉田さんは、アメリカの医療現場へキャリアを変える決断をしたときのことを、こう振り返っています。

その追い打ちとなって、今やらないと後悔すると受講を決意しました

なぜ効くのか。「内定が出たから準備しなきゃ」という外からの期限より、「今動かなきゃ後悔する」という自分の動機のほうが、行動を変えます。「この会社で働く」「この国で働く」が決まった瞬間に、学習は漠然とした自己啓発ではなく、目の前の仕事の準備に変わるからです。

この「やらないと後悔する」は、吉田さん個人の感覚ではありません。冒頭で見たエン・ジャパンの調査のとおり、ミドル世代が30代のうちにやらずに後悔したことの1位は語学力取得でした。転機は、後悔がいちばん強く見える瞬間であると同時に、学習の動機がいちばん強くなる瞬間でもあります。

あなたがやるなら、転職活動と学習を直列に考えるのをやめてください。内定が出るまでは「いつ決まるか分からない」という曖昧さのため、準備のペースが上がりません。代わりに、転職活動と並走させてください。①「この会社に転職したら、会議は週何回か」を想像する ②その会議で何を話す可能性があるか書き出す ③その場面を実際に声に出して、通じるかを試す。内定は確認のタイミングで、準備はそれより前から始まります。

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転職・赴任を越えた人たちの、いま

転職や赴任を越えた人たちは、その後どうなったのか。本人の言葉を並べます。

転職後に課題を決めた人

中津さんは、「自分の言いたいことは言える」状態で入社しても、週1回の英語会議では発音への不安が消えず、会議の内容に集中できませんでした。課題を発音に絞って2か月訓練したいま、会議は消耗する場ではなく、意図を伝えて相手の意図を受け取る実務の場に変わっています。

商談で聞き落としが減った人

ベンチャーキャピタル代表の林さんは、仕事の商談で英語を使う立場です。課題はリスニングでした。

リスニングに課題があったので、そこが大幅に改善したのが1番嬉しいですね

速い英語、ビジネス特有の言い回し。聞き取りに穴があると、商談は相手の話を受け取るだけの時間になります。細部まで拾えるようになれば、話す中身も変わります。

パーソナルトレーナーの三井さんの職場には、外国人トレーナーがいます。日常の会話が英語になる環境で、自分の発音が正確に伝わっているのか、確かめようがありませんでした。練習を重ねたいまは、こう語っています。

職場に外国人トレーナーもいるので、英語でコミュニケーションをとる機会があるんですね。最近は『発音が上手だ』とか『留学していたの?』と驚かれるようになり

同じ環境、同じ相手との会話なのに、受け取られ方が変わりました。

不動産ディベロッパーの岩崎さんは、新規事業企画の仕事をしています。1ヶ月の留学を経て、帰国後も英会話で学習を続けています。転機が来てから慌てるのではなく、次の展開に備えて続けておく選び方です。

誰も「完全に準備してから転職した」わけではありません。中津さんは入社後に課題を決め、林さんは商談のなかで足りない部分を見つけて埋めました。三井さんは職場という毎日の場で準備を進めています。それぞれが転機の近くで、自分に必要な準備を見つけ、短い期間に集中しました。

「完成した」と言い切る人もいません。それでも、転職後は会議に参加でき、商談では相手の意図を拾え、職場では外国人の同僚と働ける状態へ進んでいます。

まとめ|外資系転職の英語は「点数の上積み」ではなく「最初の実務場面の準備」

外資系転職の英語で問われるのは、TOEICの点数を何点足せるかではありません。入社後の最初の実務場面で通じる状態を作れるかどうかです。点数が足りている人も、足りていない人も、現場で測られるものは同じでした。

順序は4つです。まず、自分がいまどの転職フェーズにいるのかを診断で特定します。次に、入社後に最初に来る場面を1つ想定します。会議での発言か、自己紹介か、電話か。そのうえで入社日から逆算して、集中して準備する期間を確保します。最後に、自分の職務を英語にして声に出し、通じるかどうかを実際に測ります。

この記事に登場した人たちは、誰も「英語が完成してから転職した」とは言っていません。転職を決めた後に準備を始めた人や、入社してから課題を特定した人ばかりです。点数の目安を眺める時間より、最初の実務場面を書き出した日から、転職後の景色は変わっていきます。

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