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50代の英語習得は可能か|2ヶ月で英語が聞き取れ、1年で自然に話せるようになった

英語学習

仕事で英語の必要が出てきた。海外出張の予定が入った。あるいは定年後の時間の使い方を考え始めた。そのたびに「この年齢から始めて、本当に身につくのか」という問いが頭をよぎって、そこで止まる。

「50代 英語 習得」と検索すると、「50代からでも遅くない」という励ましと、勉強法やアプリの紹介が並びます。けれども知りたいのは、遅いか遅くないかではないはずです。実際にどのくらいの期間で、どこまで行けるのか、ではないでしょうか。

実際に、その問いに自分の記録で答えている人がいます。同じ会社に28年勤めてきた50代の滝口さんは、三ヶ月の集中学習を終えて、こう語っています。

私は現在52歳なのですが、若い人に負けず、まだまだやれると思えることを実感できたことが大きかったです

放送関係の会社を引退し、いまはアドバイザーとして働く八幡さんは、週1回の通学を1年近く続け、気楽に英語が口をついて出るようになったと語ります。定年退職後にまったくの初心者から始めた仮屋さんは、2ヶ月で聞き取れる範囲が広がったと書いています。

滝口さんはミライズ留学、八幡さんはミライズ英会話、仮屋さんはシャベリッシュの受講者です。ミライズは、2012年の創業以来、社会人の英語学習をサポートしてきた英語コーチングスクールです。公式サイトでは200件以上の体験談を本人の言葉のまま公開していて、その中には50代・60代で英語を始めた方の声も残っています。この記事では、その声から「どのくらいの期間で、どこまで到達したのか」を並べ、到達点の決め方をお見せします。

50代から英語は習得できる——2ヶ月・3ヶ月・1年、それぞれの到達点

「本当に到達できるのか」への確かな答え方は、実際に到達した人を時間の順に並べることです。期間も到達点も人によって違います。それでも、3人から道筋は見えてきます。

2ヶ月で「聞き取れるようになった」. 定年退職後・全くの初心者から

冒頭で触れた仮屋さんは、ピアノ講師を定年退職したあとに英語の学習を始めた方です。

出発点は、ゼロに近いところでした。幼少期に英会話を習った時期はありますが、大人になってからは英語に触れていません。本人はこう述べています。

幼少期に英会話を習ってた時期もありましたが大人になってからは特に英語を学習しなかったので、ボキャブラリーもすっかり忘れてしまっていて全くの初心者状態でした。

この状態から2ヶ月で、何ができるようになったのか。

初めは聞き取れなかった英語が少しずつ聞き取れるようになってきて、それが嬉しくて楽しくて。2ヶ月間しっかりと学習を継続できた秘訣だと思っています。

ここに誇張はありません。「完全に聞き取れるようになった」ではなく、「聞き取れるようになってきた」という段階です。それでも「嬉しくて楽しくて」という手応えがあったから、学習が続きました。定年後の初心者でも、2ヶ月で実感は生まれています。

3ヶ月で「自然にコミュニケーションが取れるようになった」. 同じ会社に28年勤めた52歳

冒頭でご紹介した滝口さんは、同じ企業に28年間勤め、技術者から商品企画を経て、いまは営業部門でマーケティングを担当しています。

きっかけは会社の制度でした。

今回、会社で三ヶ月間の休暇を取れる制度があり、今まで逃げていた苦手な英語をこれを機に克服しようと決意しました。

セブ島での三ヶ月の留学で起きた変化は、先生たちと自然に英語でやり取りできるようになったことでした。努力を感じさせない、なめらかなやり取りができるまでが三ヶ月。28年分の仕事の知識を、英語でも伝えられるようになるまでの道のりです。詳しくは、後の実録の章で見ます。

1年で「気楽に英語が口をついて出るようになった」. 68歳・働きながらの通学

冒頭でご紹介した八幡さんは68歳です。放送関係で40年働いたあと、いまはアドバイザーとして複数の会社に関わっています。

学び方は、週1回、決まった時間に英会話スクールに通うという形です。仕事も家庭も動く日常の中で、それを1年近く続けてきました。まとまった留学期間を取らなくても、生活の中に固定した時間を置くことで前に進んでいる例です。

1年でどこまで来たのか。本人の言葉はこうです。

ミライズ英会話に通いはじめて1年近くになりますが、スムーズに話せるわけではないですけど、気楽に英語が口をついて出るようになりましたね。

ここでも、語り方は控えめです。「スムーズに話せるわけではないですけど」という前置きのうえで、「気楽に口をついて出る」という状態に到達しています。68歳という年齢は、この到達の妨げになっていません。

期間は違っても、3人に共通していること

仮屋さん(2ヶ月)、滝口さん(3ヶ月)、八幡さん(1年)。期間も背景も、学習の組み方も違います。それでも、はっきりした共通点が1つあります。

誰も「ペラペラになった」と言っていません。

3人とも、「自分の場面で何ができるようになったか」で変化を語っています。仮屋さんは聞き取り、52歳の方はやり取りの自然さ、八幡さんは口をついて出る気楽さ。同じ「習得」でも、指しているものが違います。ここに挙げたのは3人分なので、この3つが到達点のすべてという意味ではありません。

50代の英語習得は、「若い人と同じ到達点」を目指す競争ではありません。到達点をどこに置くかで、必要な期間も学習の組み立ても変わります。2ヶ月で聞き取りが変わった人と、1年かけて発話が気楽になった人を、同じ物差しで比べても意味がありません。自分がどの変化を求めているのかが決まって初めて、期間の見積もりにも学習法の選択にも根拠が生まれます。

では、その到達点はどう決めるのか。次の章で見ます。

到達点は「若い人と同じ」ではなく「自分の場面」で決める

50代が英語に着手できない理由の多くは、英語力の不足ではありません。「若い人と同じ到達点で測られる」という思い込みです。この前提を外すと、必要な英語の量は一気に減ります。

止めているのは英語力ではなく「比較」

英語を始めるとき、多くの人が「ネイティブに近い流暢さ」「TOEICの高スコア」「字幕なしで映画」といった目標を思い浮かべます。そして50代は、それを若い人と同じ時間で目指そうとして、「3ヶ月で若い人並みになれるはずがない」という結論に行き着き、始める前に止まります。

止めているのは、目標そのものではなく、若い人との比較です。記憶力も、使える時間も、話したい内容も違うのに、同じ目標地点を置いている。この無理な前提が、始める力を奪っています

到達点は、自分で決めるものです。

書家の今川さんは、学習を始めるまで「学生時代から英語は大嫌いでしたので、このまま英語と関わることなく死にたいと思っていたくらいです(笑)。」という状態でした。それでも学習を始められたのは、目指す先がはっきりしていたからです。

私が学びたいのはTOEICなどの試験英語ではなく、『普段使える日常英会話』や『書道を伝える英語』だった

試験のスコアではなく、自分の仕事で使う表現が目標でした。到達点を「世間の基準」から「自分の仕事」に変えたとき、年齢は障害ではなくなりました。

インターネットの会社で広告事業に携わる53歳の田村さんは、キャリアの中で英語の意味が変わったと語ります。

英語を話せることがアドバンテージだった時代もありました。しかし今はアドバンテージではなく『ベース』。

優位に立つための英語ではなく、仕事を続けるために要る英語だ、という位置づけです。求めるものが変われば、必要な学習量も変わります

到達点を自分の場面で決めた人たち

到達点を決めるとは、「何ができれば自分は満足か」を先に言葉にすることです。それをしないまま始めると、いつまでも「まだ足りない」が続きます。進み具合も終わりも見えないまま勉強を続ける——50代の多くが、ここで立ち止まります

60歳で定年を迎え、その後ベトナムで約2年働いた大江さんは、自分の現在地をこう言っています。

約2年間のベトナム生活で『少し英語に慣れたかなぁ』という感覚はありましたが、やはり実務面(ビジネス)では客観的にみてまだまだという認識です。

ここで大事なのは、「まだまだ」という評価で終わっていない点です。そこから「ビジネス場面でのやり取り」という次の到達点を置いたことで、やるべきことが具体的になりました。

前の章の八幡さんも、自分の場面から到達点を決めた人です。「気楽に英語が口をついて出る」は、「ネイティブ級」ではなく「自分が使う場面で応答できる」という水準を定めた結果です。「ペラペラになる」を目指すと終わりのない競争になりますが、「自分の場面で通じる」を目指すなら、そこには着ける地点があります。

あなたの到達点は、どこか

到達点を決めるには、まず自分がどんな場面で英語を使いたいのかを思い出すことです。次の5つは、50代が英語を始めるときによく挙がる場面です。いちばん近いものを1つ選んでください。

Q1: 海外出張・海外の取引先との打ち合わせで、通訳なしで用件を伝えたい

Q2: 定年後・第二キャリアで、英語を要件に含む仕事に応募したい

Q3: 家族・友人に外国の方がいて、自分の言葉で直接話したい

Q4: 自分の専門・作品・仕事の中身を、自分の言葉で外国の人に説明したい

Q5: 旅行先で、案内や注文を人に頼らず自分で済ませたい

選んだ場面ごとに、優先するものが変わる

Q1・Q2なら、優先は業務用語と打ち合わせの定型表現です。「ペラペラ」は要りません。自分の業務と職務経歴を英語で説明でき、質問に応答できれば足ります。

Q3・Q4なら、優先は発音と自分の専門の表現です。書家の方がそうだったように、汎用の言い回しより、自分の分野の言葉のほうが先に要ります。

Q5なら、優先はよく使う短い表現です。宿泊やレストランなど、場面が決まっているぶん、発音の正確さより慣れが効きます。

「ネイティブのように話す」ではなく「この場面で困らない」から考えると、必要な学習はずっと限定的になります。

到達点が決まったら、次は期間です。三ヶ月の休暇を使った52歳の記録を見ます。

実録——28年同じ会社にいた52歳が、三ヶ月の休暇を英語に使うまで

仕事をしながら英語を学ぶのは難しい。まとまった時間が取れないなら、なおさらです。それでも、制度を使い、期限を決めた人は短期間で変わっています。その道のりを時系列で見ます。

出発点. 28年間、逃げてきた英語

この方は、こう語ります。

同じ会社に28年間勤めており、技術者・商品企画を経験した後、現在は営業部門でマーケティングの仕事をしています

28年は、仕事の技能と判断が深くなっていく時間です。ただ、英語だけは、その間ずっと選択肢から外し続けていました。

本人の言葉に「今まで逃げていた苦手な英語」という表現が出てきます。逃げられたということは、裏を返せば、英語なしでも国内でマーケティングの役割を果たせていたということです。50代で英語を始める人の多くが、この同じ場所から出発します。避けられるうちは避けてきました。でも、これからは避けられない——その判断の瞬間からです。

決断. 三ヶ月間の休暇制度を使う

転機は制度でした。

会社で三ヶ月間の休暇を取れる制度があり、今まで逃げていた苦手な英語をこれを機に克服しようと決意しました

漠然と「英語を始めたい」ではなく、「制度がある」が決め手になっています。

50代が時間を作る方法は、意志ではなく制度です。仕事も家庭も予定が動く中で、「毎日の隙間時間に始めよう」という計画は崩れやすいものです。「この三ヶ月は、この枠で生きる」と環境ごと決めてしまうほうが、続きます。

行き先はセブ島への留学でした。ただ、順序として先にあったのは行き先ではなく、「三ヶ月間」という期間と、制度を使うという決断です。

到達. 「若い人に負けず、まだまだやれる」

三ヶ月のレッスンについて、本人はこう語っています。

単に英語のスキルを教えるのでなく英語をどのようなシーンで使うかという点に関してです。ビジネスにおけるマネジメント、マーケティングなどの知識をベースにきめ細かに教えて下さり英語の深みを知ることができました。私の年齢でも凄く多くのものを学ぶことができたのが今回のフィリピン留学だと感じています

ここに、52歳が短期間で伸びた理由があります。記憶力が若返ったのではなく、28年分の仕事の知識がそのまま学習の素材になったからです。マネジメントもマーケティングも、中身はすでに手の中にあります。足りなかったのは、それを英語で伝える言葉だけでした。

到達点の語り方も、現実に合っています。

英語力に関しても、英語でのコミュニケーションを先生達と自然に取れるようになったことがセブ島留学に来る前に比べて大きく変化したところだと感じます

「ペラペラになった」ではなく、「先生達と自然に取れるようになった」。自分の場面を決めた人は、到達点もはっきり言えます。

あなたがやるなら. まず制度を調べ、期限を決める

三ヶ月の休暇が取れなくても、この決め方は応用できます。

まず、勤務先の制度を先に調べます。自己啓発支援、研修、有給の組み合わせ——すでに用意されている「まとまった時間」を英語に使えないかを見るところからです。

次に、自分の業務の中身を教材にします。汎用の教材で日常会話を練習するより、28年分の知識が使える題材のほうが、覚える速度も使う場面も直結します。

最後に、「いつまでに」を先に決めてから、教材ややり方を選びます。期限が決まれば、必要な時間も1日あたりの量も逆算できます。

定年前の一級建築士の余部さんは、こう語ります。

もともと英語はとても苦手でした。外人さんが近くに来られると話しかけられないように、避けるくらいでした

この方も、定年前の有給消化を機に、期限を決めて留学しました。出発点の低さは妨げにならず、決め手は「いつまで」という枠でした。期限のない学習は日常に流されます。期限のある学習だけが、優先順位を守れます。この枠の引き方は、留学に限らず自宅学習にも使えます。

28年避けてきた英語でも、枠さえ決まれば三ヶ月で「まだまだやれる」に変わる。大事なのは、この順序です。

まとまった期間が取れない人はどうするか。次の章で、働きながらの組み立てに落とします。

50代の学習の進め方——音から入る・時間を固定する・自分の中身を教材にする

仕事も家庭も予定が詰まった50代に、若い人と同じやり方は合いません。時間が限られているぶん、方法を選ぶ必要があります。実際に50代・60代で身につけた人たちに共通する、3つの設計を紹介します。

決め方1. 音から入る。聞き取れない原因を発音の側から潰す

仮屋さんは、独学の時期に強い挫折を経験しています。

早速教えたもらった教材を元に勉強をしてみたのですが、CDのネイティブ音声を聞いても何を話しているのか全く聞き取れず、独学での学習に限界を感じていました。

そこから抜け出したきっかけは、発音でした。正しい発音の仕方を学んだあと、「正しい発音の仕方を学んだので以前に比べて英語力がかなり向上したのを感じています。」と変化を実感しています。

理由は単純です。自分で発音できない音は、聞いても拾いにくいのです。聞き取れないままボキャブラリーを増やしても、聞き取れない時間が増えるだけです。逆に、発音を先に直すと、その音が聞こえるようになります

いま「英語を聞いても何を言っているのか分からない」なら、聞き取れなかった箇所を2つに分けてみてください。「単語自体を知らない」のか、「音は聞こえるが何の音か判別できない」のか。前者は語彙を増やすしかありませんが、後者は発音から直せます。音が取れないほうだと分かったら、その音の出し方をレッスンで習い、短い文で何度も声に出して確かめます。ここまでやると、次に同じ音が来たときに拾えるかどうかを自分で確認できます。

決め方2. 時間を固定する。意志ではなく型で続ける

「空き時間を見つけて勉強しよう」という方式は、50代にはまず続きません。仕事も家庭の予定も動くからです。佐々木さんは、留学中の生活をこう振り返っています。

規則正しい生活ができたことですかね。宿泊と勉強が一体型で、毎日同じ時間に起きて朝1時間半勉強し、その後授業を受けて授業終了後は自己学習をしていました。毎日同じスケジュールで生活できたことが心地よかったです。

働きながらでも、原理は同じです。毎日同じ時刻の30分を先に確保し、その時間に置く教材を1つに固定します。毎回教材を選び直すと、選ぶだけで疲れます。「この教材をこの時間に」と決めて変えません。さらに週1回だけ、人に自分の英語を聞いてもらう予定を入れます。独学では気づけない弱点を指摘してもらうためです。この型が、50代の継続を支えます。

決め方3. 自分の中身を教材にする

50代には、話す中身がもうあります。書家の今川さんは、レッスンの進め方をこう述べています。

私が英語のディスカッションのレッスンが好きだと先生に伝えると毎週必ずディスカッションのレッスンを入れてくださり、私のやりたいことに沿って、そして私の英語の苦手な点を潰すためのレッスンをしてくださいました。

出版社で雑誌編集者として働いた齋藤さんも、同じ使い方をしています。

もうひとつは、ロールプレイ。僕の好きなトピックを講師へ伝えると、講師が僕用のオリジナル教材を作ってくれ、臨機応変なレッスンがとても良かったです。

教科書の日常会話は、あなたの生活では使う場面がほとんどありません。それより、自分の仕事や専門を教材にしたほうが、覚える動機も使う場面も直結します。やることは3つです。自分の仕事を英語で3分説明する原稿を作る。その説明に出てくる専門用語を20個書き出して英語にする。練習相手に「私の仕事を題材にしてほしい」と最初に伝える。長く働いてきた分だけ、話す中身があります。使わない手はありません。

この設計で動いた人たちが、いまどこにいるのか。最後に並べます。

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50代・60代で始めた人たちは、いまどこにいるか

この記事に出てくる人たちは、いずれも学習を終えたところで話を残しています。完成した状態ではありません。その途中の姿を見ます。

最初の変化は「億劫じゃなくなった」

学び始めた50代・60代に最初に起きるのは、心理的な変化です。英語を話すことへの抵抗が、少しずつ消えていきます。

八幡さんは、英会話を始めて1年の時点でこう語っています。

英会話を始めてから何回か海外に行く機会がありましたが、英語を話すことが億劫じゃなくなりました。相手の言っていることがなんとなくわかるようになって、ある程度コミュニケーションが取れるようになりました。

出発点は仕事の必要ではなく、「そのうちやりたい」という漠然とした思いでした。それが1年で、「億劫じゃなくなった」まで来ています。地味に聞こえますが、海外で口を開けるかどうかを分ける変化です。

大江さんも、同じ転機を経験しています。始めた頃は「英語に関しては、最初、会話することに対して“1歩引くみたいな感覚”があった」。それが、毎日スピーキングとリスニング主体のレッスンで色々な先生と話すうちに変わりました。

徐々に英語を喋ることへの抵抗感みたいなものがなくなってきて、英語に対する自信もついてきた感じはありますかね

抵抗感が消えるまでには、毎日の実践の積み重ねがあります。

到達点は、具体的な予定で決まる

田村さんは、英語への考え方の変化をこう語ります。

英語は得意ではなかったので、わざわざ得意分野で勝負する必要はないとずっと考えていました

その考えが変わったのは、英語がアドバンテージではなく「ベース」に変わったからです。避けて通れないものになったとき、必要な水準を自分の仕事から決める、という順序に切り替わっています。

書家の方の到達点は、もっと具体的です。

直近では11月にアメリカ人に対して英語でプレゼンテーションをする機会があるので、社会人留学のミライズ留学で行ったプレゼンテーションを参考にしながら、通訳なしでやり遂げたいと思っています

日付のある予定が、そのまま到達点になっています。試験のスコアではなく、生活の中の具体的な場面。それが50代の到達点の置き方です。

使わなければ落ちる. それでも取り戻せる

1つ、忘れてはいけないことがあります。英語力は、使わなければ落ちます

前職で海外営業をしていた方は、留学を決める前をこう振り返っています。

今年受けたTOEICが600点台まで落ちていて、英語力の衰えを実感しました

かつては825点でした。一度身につけた英語力も、使わない期間が続けば落ちる。

50代の習得は、初めて学ぶ話であると同時に、続ける話でもあります。ただ、この方のように、学び直しで取り戻すこともできます。到達した後も自分の場面で使い続けるところまでを計画に入れておけば、衰えは想定内の出来事になり、慌てずに立て直せます。

年齢の壁についても、本人の言葉は率直です。齋藤さんは、留学で年下の受講者たちと学んだ経験をこう振り返ります。

留学中は僕がずっと最年長でしたので、僕に比べるとミライズ留学に来ていた方達は若い。講師たちも皆若いですけど年齢的な疎外感や世代ギャップは全く感じず、居心地よく学べました

年齢が壁になるという前提は、現場では成立していませんでした。

「気楽に英語が出るようになった」「抵抗感がなくなった」「なんとなくわかるようになった」。この章で見た変化は、どれも完成形ではなく、進んでいく途中のものです。最後に、今日からの始め方を整理します。

まとめ|50代の英語は、到達点を自分で決めた人から進んでいく

50代から英語は習得できます。ただし「若い人と同じ到達点」を前提にすると、必要な学習量は際限なく膨らみます。この記事に登場した人たちは、いずれも自分の場面から到達点を決めていました。

順序は5つです。まず、自分の場面から到達点を決める。実務で使うのか、自分の中身を伝えたいのか、生活で困らない程度でいいのか。次に、期限と使える制度を先に確保する。そのうえで、聞き取れない箇所を音の側から直す。毎日同じ時刻に30分を固定する。そして、自分の仕事や専門を教材にする。

2ヶ月で聞き取れるようになった人も、3ヶ月で自然にやり取りできるようになった人も、1年で英語が口をついて出るようになった人もいます。誰も「習得し終えた」とは言っていません。全員が、自分で決めた到達点に向かって、いまも途中にいます。あなたが始めれば、そこに1人分が加わるだけです。

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