ハツオン

発音のプロが運営する
英語学習メディア

外資系で英語が話せない|66%が初級・中級で回している中で、抜けた人がやったこと

ビジネス英語

会議で英語が飛び交う。メールのやり取りは追える。資料も読める。でも自分が話す番になると、短い相づちで済ませてしまう。「外資系にいるのに、英語が話せない」。この矛盾を、誰にも相談できないまま抱えている人は多いです。

「外資系 英語」で検索すると、「必要な英語力はTOEIC何点か」「転職に必要なレベルは」という入社前向けの記事ばかり出てきます。すでに中で働いていて、話せないまま毎日をしのいでいる人の話は見つかりません。検索しても出てこない——その状態そのものが、孤立感を深めます。

実際に、この状態から抜けた人がいます。外資系コンサルティング会社でシステムエンジニアとして働く川本さんは、最初は「英語を書く・話すについてはあまりできていませんでした」という状態でした。それが次の英語プロジェクトまでの期間に、話す側に回ったのです。何をしたのかは、本人が具体的に語っています。

川本さんは、英語コーチングスクール・ミライズの受講者です。公式サイトには200件以上の体験談が本人の言葉のまま公開されており、外資系で働く人・働いていた人の声も残っています。この記事では、その体験談から「外資系で話せないまま働く状態をどう抜けるのか」を整理していきます。

「外資系なのに話せない」は、少数派ではない——66%は初級・中級で回している

外資系で働いているのに英語が話せない。その感覚は、自分だけのものではありません。実際のデータを見ると、その状態は少数派ではなく、むしろ仕事の進め方の側に理由があります。それではデータを見た後、実例を通じて「なぜ話さずに済むのか」「そしてなぜ急務になるのか」を確認しましょう。

数字で見る——外資系の英語力の実態

外資系企業で働く人の英語力はどのような分布になっているでしょうか。エンワールド・ジャパンが2024年12月に発表した「外資越境転職」調査によると、外資系企業従業員400名と日系企業従業員400名の計800名を対象にしたその実態が明らかになります。

最も重要な数字が次のものです。外資系従業員のうち、初級・中級レベルで業務を回している人が66%です。一方「上級以上・ネイティブレベル」は34%にとどまります。3人に2人が、英語力としては入社時点よりもはっきりと上のレベルを想定されて雇用されたわけではなく、初級・中級のなかで何とか仕事を回している状態です。

これに対して、日系企業に勤務する人の認識はどうでしょうか。同じ調査では、日系企業勤務者の55%が「外資系には上級レベル以上が必要」とイメージしています。

外から見たイメージと、中の実態はずれています。「外資系=全員ペラペラ」は、中の現実ではありません。

3人に2人が初級・中級で回しているのを前提にすると、話せないまま働いている状態は例外ではなく、むしろ生まれやすいと分かります。恥ではなく、仕事の進め方の問題として扱ってよいのです。

「話せないこと」そのものは、職務不適合ではありません。問題は話せないことではなく、その場面が来たときの準備がないことです。

初級・中級で業務を遂行している人たちの多くは、その状態に最適化した働き方を無意識に構築しています。メール対応・資料読解・社内の英語話者への依頼——こうした部分的な英語の使い方で日々の仕事は回ります。その工夫と習慣の中にいる限り、話す必要は生じません。

けれどその環境が変わる瞬間——つまり話す場面が必須になる瞬間——まで、その準備のなさに気づかないままでいられるのです。

「社内に英語を話す人が多い」環境でも、自分は話さずに済む

それでは、なぜ初級・中級のままでいられるのでしょうか。社内に英語を話す人が多いという環境が、その理由の1つです。

外資系IT企業で働く外資系IT営業の方は、その環境を次のように述べています。

お客様相手に英語を使うことは極めて稀ですが、IT業界はアメリカの会社が多い。なので英語の原稿や記事を読んだり、また色々なことを調べる際に外国の方とコミュニケーションをとる必要がありますし、社内にも英語を話す人が多いのでそういったときに英語が必要になります

ここで効くのは「英語が必要になる」という点です。必要だけれど、実際に話す側に回る必要があるかどうかは別の話です。メールで対応できます。資料は読めます。社内に英語を話す人がいれば、その方が代弁してくれます。チャットで追えます。こうした部分的な関わり方で、業務は回ってしまいます。「話す」という一番むずかしい部分は、後回しにできてしまうのです。

この方がわずか1週間のセブ留学に踏み切ったのも、同じところから来ています。社内での英語の必要性は認識していたけれど、その理由は「そういった場面で英語が必要になるため」でした。英語の原稿を読む・記事を調べる——こうした入力型の英語活動は、自分の力でも何とか回しています。けれど社内の英語を話す人たちとの会話の場面だけが、ずっと積み残ったままになります。忙しい外資系IT営業のキャリアのなかでも、超短期でも環境を変える——その積み残りが留学という選択につながっています。

それでも「急務」になる瞬間が来る

その状態が続くのは、それが習慣だからです。組織変更やプロジェクト変更で、その習慣が通用しなくなる日が来ます。

外資系企業で働いていた外資系勤務の方は、その転機を次のように語っています。

まず、仕事面で海外のグローバルチームとのコミュニケーションが増えて、英語力のブラッシュアップが急務であると感じたことです

組織のなかで、突然「話す側」が回ってくるのです。その瞬間、初級・中級で何とか逃げ切っていた英語力が、もう逃げ切れない状態になります。

ただし、動く決断には仕事側の事情だけではなく、人生側の理由も重なっています。その方は続けて述べています。

あともう一点、将来的に海外移住を視野に入れていてこの機会に休職し、実際に海外に住んでみて、その可能性や課題を確認したい思ったからです

急務は仕事の現場から生まれます。ですが、その急務に応える決断には、自分の生活をこの先どうしたいかという別の問いが重なります。

外資系で話せないまま働く状態は、仕事の局面では何とか回せます。例えば、海外移住や転職のように次の一歩を具体的に考え始めたとき、その状態が許容できなくなります。そこで初めて、準備が必要だと気づくことになります。

では、なぜ外資系にいながら話せないままになるのか。次章で見ていきます。

話せないままになる理由——読む・聞くで仕事が回る一方、話す機会がない

外資系にいても英語が話せないままになるのは、読む・聞くだけで業務が回ってしまうからです。ここが、働きながら英語を身につけることを難しくしています。

読む・聞くだけで、業務は回ってしまう

川本さんは入社までの英語学習について、このように振り返ります。

大学の時に論文を英語で読む機会があったので読むことへの抵抗は少なかったですが、英語を書く・話すについてはあまりできていませんでした

実は川本さんには、話す側になった経験がありました。「2008年には1ヶ月間オーストラリアに留学しました。その時は外国人と英語を使って話すことに抵抗がなくなりました」。集中した環境での学習は、話す自信をもたらしていました。しかし、その後の日常が大きく変わりました。

オーストラリア留学後は、英語に触れる機会といえば音楽や映画ぐらいだったんですけどね(笑)

話せるようになっても、職場が発話を求めなければ、英語との接点は娯楽だけに戻ります。外資系でも、同じことが繰り返されます。

大学で読む英語に慣れると、そのまま外資系企業に入社できます。仕事で必要な情報の大半は、資料や文書から取れるからです。メール、ドキュメント、スライド——これらはすべて受け身で対応できます。聞くことも同じです。会議では議論の流れを追うことはできますが、話す機会は自動的には生まれません。むしろ、読める人・聞ける人は沈黙のまま業務が進みます。

会議で発話の速度に負ければ、話さずに報告だけで済ませる選択肢があります。資料は読める、議論は追える、でも発話の速度で負ける——その瞬間、発話を避ける形ができあがります。自分が話さなくても議事は問題なく進んでしまうから、発話量はゼロのまま固定され、翌週も同じ会議が繰り返されていくのです。

悔しさは、辞めた後まで残る

この状態が続くと、何が起こるのか。外資系企業を経てIT・経営顧問として14年のキャリアを持つ松井さんは、このように記しています。

外資系の会社に勤めていた時に全然英語が話せず悔しかったので、退職してからですが英語の勉強を始めました

話せないまま在籍した悔しさは、職場を離れた後まで残ります。放置しても薄れず、キャリアの節目ごとに戻ってきます。いま動くか、悔しさを持ち越すかの分岐はここにあります。

セルフ診断——あなたが先に取り戻す場面はどれか

外資系でも、英語を話す場面は毎日はありません。チャンスが来たとき、あなたが躊躇しない段階に到達するまでに、どの場面を攻略すべきか。以下の6つは、職場で実際に起こる場面です。頻度が高い順に見てください。1つを選ぶことで、次のステップへの照準が決まります。

この記事を読んでいるあなたは、どの場面でまず英語を話す側に回りたいか。場面が決まると、準備の方向が見えます。以下の6つから、あなたが先に取り戻したい場面を選んでください。

診断Q1:定例会議での発言

週次の定例会議で、報告と質疑を自分の言葉でこなしたい。議論に参加し、自分の意見を述べる側になりたい場合、まずはこの場面が照準になります。

診断Q2:グローバルチームとの雑談

グローバルチームとの1on1・雑談で、関係を作れる自分になりたい。仕事の話だけでなく、人間関係を英語で築きたい場合、この場面が優先順位になります。

診断Q3:昇進・異動までの準備

次のプロジェクト・異動・昇進までに、話す側に回る準備をしたい。昇進試験や異動面接を控えている場合、期限を決めた準備の場面です。

診断Q4:海外メンバーへの指示と交渉

海外メンバーへの指示・依頼・交渉を、チャット頼みから会話に戻したい。チームマネジメントに英語を使う立場にある場合、この場面が必須です。

診断Q5:社内プレゼンと質疑

社内プレゼン・レビューで、質疑まで自分で受け切りたい。質問に対して、その場で英語で返答できる状態を目指す場合、この場面が目安になります。

診断Q6:場面はまだ定まっていない

場面はまだ絞れていないが、「読める・聞けるだけ」の状態を変えたい。この場合は、頻度の高い場面を1つ選んで小さく始めるのが早道です。

あなたが選んだ場面は、次章でどのように取り戻されるのか。実例を見ることで、あなたの準備プロセスが見えます。

実録——川本さんが、次の英語プロジェクトまでに「話す側」に回るまで

セルフ診断で場面が決まったら、次は実例です。外資系コンサルティング会社のシステムエンジニアである川本さんは、次の英語プロジェクトを控えたとき、どのように準備し、どう変わったのか。時系列で見ていきます。

状況——次のプロジェクトは英語

川本さんが働く外資系コンサルティング会社で、転機が訪れました。

外資系コンサルティング会社でシステムエンジニアとして働いています

川本さんはこう自己紹介します。勤続は7年ほど。その川本さんが英語学習を始めた動機は、漠然とした上達の願いではなく、目前の仕事でした。

「1月から始まる新しいプロジェクトが英語を使うプロジェクトになりそうだ、というのがひとつ」です。さらに、会社の経営判断が背景にありました。

会社の方針として、今後はフィリピン人にプログラミングを発注するということになり、『フィリピン人とのコミュニケーションが絶対大切になる、新しいプロジェクトでもスタートダッシュができるように英語を勉強しておこう』と思いました

社会人留学先の選択も、戦略的でした。

SchoolWithというサイトで口コミの評価が1番高かったこと、自分が社会人なので落ち着いて英語学習したい、という2点で考えたときに社会人留学のミライズ留学が1番いいと思ったからです

漠然とした英語力向上ではなく、次の実務への照準に応じた選択です。

準備——リスニングを先に仕込む

川本さんが選んだのは、リスニングを先に仕込むことでした。

ミライズ留学へ来る前の2ヶ月間は、英語の動画をたくさん観てリスニングの練習をみっちり行なってきました。先生が何を言っているのかわからないと、自分も英語で何を言えばいいのかわからないし、コミュニケーションの基本はリスニングだと思っていたからです

学習の順序に理由がありました。リスニングが先で、会話は後。独学でできる部分を先に仕込み、相手のいる時間を話す練習に空ける

教材選びも計画的でした。

最初はスティーブ・ジョブスのスピーチから始め、リズムがつかめてきたところで自分の好きなスピーチを探し、どんどん広げていきました

自分が続けられる教材を見つけ、段階的に難易度を上げていくプロセスです。

やり方——「話し終わるまで聴いてほしい」とリクエストする

ミライズ留学で川本さんが気づいたことは、レッスンの環境設計が学習効果を大きく変えるということでした。

川本さんは先生たちに、ある要望を伝えました。

社会人留学のミライズ留学の先生たちには変えて欲しい点があれば都度伝えてきました。例えば、僕が話している途中に英文法の間違いを指摘されたりすると僕は話せなくなるタイプです。だから話し終わるまで聴いて、そのあとでどういった間違いの傾向があるのかを教えてほしい、と伝えたところ僕自身もすごくやりやすくなりました。

「直される場」ではなく「話し切れる場」へ。この要望は、川本さん自身の学習スタイルを知っていたからこそ出た設計でした。自分の弱点を言語化して、環境を作り直した行動です。

実務への接続も進めました。

たとえば次のプロジェクトで想定されるフィリピン人とのやりとりのロールプレイをしたときも、僕の予想を超えて、しかも僕自身が納得できるアドバイスをしてくれました

次の実務の場面を、そのままレッスンに持ち込むことで、練習と仕事の距離を詰めました。

変化——立場が上の人にも通じた

2ヶ月間のリスニング準備とミライズ留学での集中を経て、川本さんに何が起こったか。スピーキング能力の変化がもっとも明らかでした。

1番変わったな、と思うのはスピーキングですね。最初の1週間は、自分の思ったことが英語で言えていないと感じていました。だんだんと自分が言いたいことを英語で言えるようになってきたと実感しています

実感は、仕事の場で確かめられました。グループディスカッションでの経験です。

グループディスカッションでは、自分の意見が日本の会社でなら僕よりずっと立場が上の方にも通じる経験をしたことで、会社が自分をここまで成長させてくれていたんだ、ということも感じる瞬間がありました

話せる実感が、社内での自分の見え方を変えました。立場が上の人にも通じる英語を手にしたことで、社内での自分の価値も見えてきたのです。

この変化をもたらした経験として、川本さんが強調することがあります。「もし社会人留学のミライズ留学を選ぶのであれば、この学校のメインイベントであるプレゼンテーションクラスをぜひやってほしい!と思います。プレゼンテーションをするかしないかでまったく自分を取り巻く環境が変わりました」。話し切る場から、さらに語る舞台へ。プレゼンテーションは、受動的な「話す練習」から能動的な「話の発信」への転換でした。

プレゼンを準備するのは大変ですが、プレゼンする前と後の違いをぜひ実感してほしいです

——その差は、環境が変わったことそのものだと言えます。

「知っている英語」を、話せる英語に。シャベリッシュの無料カウンセリングでは、スピーキングの現在地診断と、期日から逆算した学習プランをお持ち帰りいただけます。無料カウンセリングを予約する

外資系で話せるようになる3つの方法——焦点・話し切る場・英語思考の時間

川本さんの体験から、働きながら使える設計を取り出します。次の3つが、実務の現場で英語が話せるようになる条件です。

決め方1. 次の実務に照準を絞る

川本さんが定例会議で質問をさばけるようになったのは、週の特定の時間を「その会議の流れ」に絞って準備したからです。

なぜ効くか。外資系の英語は場面が具体的です。定例会議、プロジェクトレビュー、クライアント依頼、交渉の席——職場で出てくる英語は「全般的な会話力」ではなく「その場面の英語」です。だから全般的な英語力より、次に来る場面の英語が先に要ります。場面が具体的なほど、練習はそのまま本番の予行になるのです。実務の場面に絞ると、英語の覚え方も記憶に残り方も変わってきます。

あなたがやるなら、前の章の診断で決めた場面の実際のやり取りを、一度書き出してみてください。誰と、何について、どんな順番で話すのか。

その場面の実務知識が必要なら、次の会議やプロジェクトの議題を教材に持ち込みます。練習相手には、自分の業界と案件の文脈を渡してロールプレイをリクエストします。

例えば「外資系でよくある定例会」ではなく、「あなたのチームの、あなたの役割の定例会」を相手に説明しておく。それだけで準備の中身が変わります。

その場で出た新しい単語や表現は、その日のうちに実務ノートに落とし込み、次の同じ場面で使ってみてください。

決め方2. 直される場より、話し切る場を作る

川本さんが「話し終わるまで聴いてほしい」と練習相手に伝えたのは、自分の癖を知っていたからです。

外資系を経験したこの方も、環境の選び方で同じところに行き着いています。何を決め手にしたのかを、こう語っています。

フィリピン人講師の方々もただ英語を教えるのではなく、その人のレベルに合った英語をその人に合ったやり方で教えてくれるので、とてもわたしに合っていました

「その人に合ったやり方」という点が、話し切れるかどうかを分けます。同じ内容でも、自分の進み方に合わせてもらえるかどうかで、口から出る量は変わります。

なぜ効くか。職場の英語会議は間違いを直してくれず、待ってもくれない場です。だから練習では逆に、止められずに話し切る量を確保します。川本さんは、先生たちをこう評価しています。

まずはすごく優秀だな、と思います。僕自身、僕が認識している苦手なところを的確に把握して、それをすぐ指摘してくれました。客観的に観る視点がすごいな、と

話し切る場が成立するには、話し手の設計だけでなく、聴き切って癖の傾向を掴んでくれる相手の力量も要ります。自分の話し方の癖に合わせて、フィードバックのタイミングを場ごとに設計できるかが、伸びを分けます。

まず、自分の癖を言語化してください。話している途中で止まってしまうのか、その場で直してほしいのか、後から改善点を聞きたいのか。練習相手には自分のこの癖を伝え、自分のレベルに合ったやり方でフィードバックをもらえるよう話し合いで決めます。そして週1回、原稿なしで話し切る場を固定する(社内で作れなければ、レッスンや練習相手で外に作ればよく、大事なのは頻度と話し切れる形であること)のです。固定することで、本番に近い緊張感が練習に入り、職場の会議で試される前に、安全な場で失敗を出し切れるようになります。

決め方3. 英語で考える時間を一時的に買う

外資系で急務を感じたその方は、「仕事面で海外のグローバルチームとのコミュニケーションが増えて、英語力のブラッシュアップが急務であると感じた」ことに加え、「将来的に海外移住を視野に入れていてこの機会に休職し、実際に海外に住んでみて、その可能性や課題を確認したい」と決断しました。

この決断の背景にあるのは、「英語で考える」という工程の重要性です。野口さんの実感をそのまま引きます。

日本にいる時よりかは遥かに英語に触れられる環境もあるので英語脳になれます

なぜ効くか。会議で言葉が出ない理由は、ほぼ1つです。日本語で考えて、英語に翻訳する工程が挟まるからです。この工程を消すには、考える言語ごと切り替える没入の期間が必要です。野口さんが英語脳になれると実感したのも、この翻訳の工程が一時的に消えたためと考えられます。頭の中で英語で考えることが通常状態に変わると、会議で次の言葉が自動的に出てくるようになります。しかし休職や長期休暇が無理でも、朝の限られた時間を「英語で考える時間」に固定するだけで、縮小版は作れます。

あなたがやるなら、まず試行として、まとまった休み——連休や有休やプロジェクトの谷間——を英語漬けに使う選択肢を持ってください。そこで「英語で考えると会議の反応が変わる」という実感を体験することが、その後の小さな習慣につながります。それが難しければ、毎朝、今日のタスクを英語で考える5分を固定します。社内の英語話者との雑談も「練習の場」と定義し直し、完璧な英文を組み立てることよりも、「考える過程を英語のまま進める」ことを優先してください。この3つのどれかから始めるだけで、翻訳の工程を消す時間をつくることができます。

「話せない悔しさ」から動いた人たちの、いま

この設計で動いた人たちが、その後どうなったのかを最後に並べます。

悔しさを起点に変えた人

外資系で「全然英語が話せず悔しかった」この方は、自分に合う環境を選び直して学び、いまは、教わる目的を明確にして、ただ英語を学ぶだけでなく自分の興味分野をきちんと決めると楽しくなる、と勧めています。

悔しさは、学び方を整える出発点になりました。実務の場面で何度もつまずき、その都度「なぜ話せないのか」を言葉にしたことで、学ぶべきところがはっきりしています。

その学びは、英語だけにとどまりませんでした。

皆さん個々に目的があると思いますが、私は英語学習と同時にフィリピンの政治経済・ビジネス・日常生活・福祉問題・健康保険・年金なども知りたかったので、それらを先生たちにたくさん教えて頂きました

英語を話すことそのものではなく、自分の知りたい領域を英語で理解するほうへ移っています。会議で沈黙して悔しさだけが残っていた状態から、いまは自分の興味分野を英語で深める側にいます。

会議が英語の日常へ入った人

外資系経営コンサルタントの吉岡さんは、セブ留学後も通学で学習を続け、イギリスの大学院を目指してIELTSに特化した授業を受講しています。英語が「今のキャリアの必須スキル」から「次のキャリアへの入口」へと階段を上りました。

製薬会社の吉村さんは、学び直しの後に「現在は英語を使う部署に配属しており、日々のミーティングがすべて英語です」という日常に入りました。この「ミーティングがすべて英語」という環境は、話せる側に回った人にとっては、「毎日が格好の練習場」へと変わります。失敗しても「その場で修正できる相手がいる」「次の発言までに整理する時間がある」という、実務の中で学ぶ構造が整っているのです。

通じる実感が、仕事の見え方を変える

川本さんは、こう語っています——「まずは、次のプロジェクトではミライズ留学で学んだことを活かしたいですね。将来的には、日本だけにとどまらず世界で働けるように引き続き英語を勉強していくことをしたいです」。

川本さんが見つけたのは、英語という単なるスキル習得の先にあるものです。

僕が社会人留学のミライズ留学の良さをひとことで集約するならば、先生が優秀であること。社会人に特化しているのでふだん出会えない人たちに出会えたということ。の2点です

この言葉は、学習環境がもたらす予期しない副作用の大きさを示しています。さらに「実際に社会人留学のミライズ留学へ来て尊敬できる人、日本に帰ってもプライベートで会いたいなと思える人にも出会えました」と述べており、外資系で英語が話せないという悔しさから出発した準備が、気づけば社外の人脈という新しい資産を生んでいたのです。

誰も「完成した」とは言っていません。吉岡さんは大学院進学という次の挑戦を持ち、吉村さんは英語の日常に一歩踏み込んだばかりで、川本さんは次のプロジェクトでの実践を視野に入れています。

その代わり、全員が立ち位置を変えています「話せないまま耐える側」から「次の場面に準備する側」へ。共通しているのは、悔しさを感じたところで「自分に必要な英語は何か」を考え始めたことです。

最後に、今日からの手順を整理します。

まとめ|外資系の「話せない」は恥ではなく、工夫で抜ける

「外資系なのに話せない」は、3人に2人側の現実です。エンワールド・ジャパンの調査(n=800)では、外資系従業員の66%が初級・中級レベルで業務を遂行しており、恥でも例外でもないことが、はっきり数字に表れています。この現実を知ることが、孤立感を外す最初の一歩になります。

抜け出すための手順は、4つです。

先に取り戻す場面を1つ決めます(定例・1on1・次のプロジェクト・プレゼン)。川本さんが「次の英語プロジェクト」に照準を絞ったように、場面が決まれば学ぶ領域も定まります。

独学でできる仕込みと、相手が要る練習を分けます。川本さんが留学前の2ヶ月をリスニングの仕込みに使ったように、一人でできることを先に済ませると、相手のいる時間を話す練習に集中させられます。

自分の癖を言語化して、場の設計をリクエストします。川本さんの「話し終わるまで聴いてほしい」という一言のように、シンプルな条件で構いません。相手はそれを知れば、場を作りやすくなります。

次の実務の場面を、そのままロールプレイに持ち込みます。想定されるやり取りを先に練習しておけば、本番が初見ではなく2回目になります。完成を待たず、実務と練習を重ねながら進める方が、話す力は速く身につきます。

川本さんの「話し終わるまで聴いてほしい」という一言が示すように、話せるようになる場は、与えられるものではなく自分で設計するものです。読める・聞けるだけの毎日は、次の場面の準備を始めた日から変わり始めます。まずは今夜、直近の会議の議題をひとつ選んで、それを英語の教材に変えるところから始めてください。

この記事をシェア

RELATED

ビジネス英語の関連記事

まずは無料カウンセリング