英語会議のフレーズは50個いらない|まずは「3つの場面」を用意し、考えずに言えるまで繰り返す
次の英語会議が近づいている。せめて決まった言い回しだけでも頭に入れておきたい——そう思ってフレーズ集を開くと、何十個も並んでいます。全部は覚えられない。そして覚えたはずのフレーズが本番で出てこない...。
「英語 会議 フレーズ」で検索すると、10選・20選・50選など、数の多い一覧記事が並びます。ただ、知りたいのは「数」ではないはずです。そして、本当に必要なのは、何十個も暗記することではなく、自分が必要な場面で使うフレーズを「出てくる」状態にすることではないでしょうか。
では、会議の場面を想定して話す練習——ロールプレイ——は、英語学習で効果的だと感じている人はどれくらいいるのでしょうか。株式会社ECCが実施した「社会人の英語力に関する調査」(n=600、2026年2月20日〜3月2日)によると、仕事のために英語力を養いたい20〜39歳の一般社員(n=300)の49.7%が、効果的だと思う方法に「実際の仕事の場面を想定したロールプレイ」を挙げています。同じ調査の40〜65歳の管理職(n=300)でも46.3%でした。英語力を養いたい会社員に限った結果ですが、暗記だけでなく場面ごとに話す練習を有効だと感じる人は、役職を問わず約半数にのぼります。
実際に、フレーズを覚えただけで終わらせなかった人がいます。不動産開発の福田さんは、場面ごとの言い回しや質問の仕方、説明の補い方は「実際に英語でやりとりして初めて分かる」と語っています。ここで語られているのは、フレーズ集だけでは手に入らない「会議の流れの中での使い方」です。
製造業の経理として働く市川さんは「実際にレッスンで習ったフレーズをネイティブの方相手に打ち合わせで使ってみたりもしました」と述べています。覚えた表現を、自分の場面に持ち込む。その一歩が本人の言葉に残っています。
福田さんも市川さんもともに、ミライズの受講者です。公式サイトでは200件以上の体験談を本人の言葉のまま公開していて、会議や打ち合わせの場面で表現を試した人の声も残っています。この記事では、場面別のフレーズを絞ったうえで、「出てくる」状態にする練習の組み立て方までをお伝えします。
覚えるのは「3場面」でいい——まず自分の会議で活用するフレーズを絞る
長いフレーズ集を前に、「全部覚えないといけない」と思った方へ。実際には、その必要はありません。
会議には進み方の型があります。開始の挨拶から始まり、議題が示され、そこで参加者から意見が出て、いくつかの質問や確認が交わされ、最後に合意や決定が示されて終わります。この流れは、業界や企業が変わっても基本的には同じです。
その型の中で、あなたが実際に口を開く場面は、思いのほか限られています。
会議の進行には型がある. だから場面は先に絞れる
会議の進行を時間軸で分けると、以下の5段階になります。
- 開始 — 会議の開始宣言・自己紹介・アジェンダ確認
- 議題 — テーマや課題の説明
- 議論 — 意見交換・質問と回答
- 合意 — 決定事項の確認・次のアクション確認
- 締め — 会議の終了宣言・感謝
鍵になるのは、あなたの役割です。進行役として会議をリードするのか、参加者として発言を求められるのか、報告・提案をする立場なのか。役割によって、口を開く場面は大きく変わります。
- 進行役(ファシリテーター)の場合 — 開始・議題提示・議論の振り方・合意の確認・締めの5場面すべてで発言が必要です。ただし載っているフレーズすべてを使うわけではありません。毎回の会議で繰り返される「いまから始めます」「次の議題は」「では意見をください」「では決定します」。こうした型にはまった発言は、数個の決まったフレーズで十分です。
- 参加者として意見を求められる立場 — 口を開く場面はさらに限定されます。主に「①意見が求められたとき」「②分からないことを質問するとき」「③相手の発言に同意するとき」の3場面が中心です。覚えるフレーズはごく限られます。
- 短い打ち合わせで報告や提案をする立場 — 「①冒頭で状況を説明するとき」「②質問に答えるとき」「③最後に次のステップを伝えるとき」の3場面に絞られます。
- 聞き手に徹する立場 — 口を開く場面はさらに少なく、「①確認・聞き返し」「②短い同意や質問」の2場面に集中できます。フレーズ集のうち、自分の役割に関係ない場面の表現は、最初から除外して構いません。
役割が複数ある人も、直近1ヶ月の会議を思い出せば、実際に口を開いた場面は数えるほどのはずです。まずはその数えるほどの場面を、自分の「優先3場面」として確定させます。
会議で発言するのが怖い、と感じている場合も、実際に求められている場面は「意見を述べる」「確認のための質問をする」「同意を短く伝える」の3つに収まることがあります。まず、自分の会議で本当に発生する場面を数えてみてください。議事録やカレンダーの予定を見返すだけでも、自分が話した場面の型は見えてきます。
セルフ診断. あなたの会議で本当に発生する場面はどれか
以下の5つの質問に答えると、あなたが優先して学ぶべき3場面が見えてきます。
診断Q1: 会議で自分から口を開くのは、意見を求められたときがほとんどだ
診断Q2: 進行・司会を任されることがある
診断Q3: 聞き取れないまま流してしまうことが多い
診断Q4: オンライン会議が大半だ
診断Q5: 会議前後の雑談がいちばん苦手だ
チェック結果の見方
Q1なら、「意見・賛成・反対を述べる場面」を優先します。15〜20フレーズで足ります。
Q2なら、「開始・議題・議論の振り方・合意と締め」の4場面です。10〜15個のバリエーションで対応できます。
Q3なら、「確認と聞き返し」を最優先にします。聞こえなかった・理解できなかった・確認したいの3パターン(計10個程度)を繰り返します。
Q4なら、「接続・画面共有・音声トラブル」の表現も足します。(この記事では会議の中身に絞ります)
Q5は、会議本編とは別の課題です。「スモールトーク」を扱った別記事を先に読むことをお勧めします。
優先場面が2つに絞れたら、それで十分です。3場面すべてを一度に埋めようとせず、今週は1場面だけに集中する。そのほうが定着は早くなります。
この記事の使い方
この記事のフレーズ一覧は、「開始」「議題」「意見」「質問・確認」「同意」「反対」「合意」といった場面ごとにまとめてあります。
セルフ診断で見えてきた「自分に必要な3〜4場面」に該当するセクションを重点的に読んでください。全部覚える必要はありません。自分の会議で実際に発生する場面だけを、繰り返し音読することで、本当に「言葉が出てくる」状態に近づきます。使わない場面のフレーズまで手を広げない——この判断だけで、覚える量は半分以下に減ります。場面が絞れたところで、次の章では各場面のフレーズを数個ずつに絞って並べていきます。
場面別フレーズ——開始・確認と聞き返し・意見・オンライン・締め
場面が絞れたら、次はフレーズです。各場面に実際に必要なフレーズを3〜4個ずつ。英文と日本語訳、そして「どの時に使うのか」の1行で揃えて並べます。
開始・議題. 進行する人
会議が始まった時点で、あなたが進行役なら、まずこの場面が来ます。
Thank you all for joining. Let's get started. (お集まりいただきありがとうございます。始めましょう。)
定刻になって全員が揃ったら、スムーズに開始宣言する定番の一言です。
Today, we'd like to discuss ―. (本日は〜について議論したいと思います。)
冒頭で議題を示すことで、参加者の意識を集中させます。議題が複雑でも、文を分けて説明すれば対応できます。
Could you walk us through the agenda? (議題を一通り説明していただけますか?)
自分が進行役で、別の人にアジェンダ説明を促すときの依頼文です。「walk through」は順を追って説明するニュアンスです。
進行役でなくても、冒頭で議題確認を求められる場面はあります。上の3つから、自分が毎回口を開く場面に合うものを1つ選べば十分です。
確認・聞き返し. 全員
何度も聞き返すことは失礼ではなく、実務での標準動作です。聞き取れないまま進めてしまう方が、後々トラブルになります。
Sorry, could you say that again? (申し訳ありません。もう一度言っていただけますか?)
聞き取れなかったときの最もシンプルで確実な返しです。
Just to confirm, you mean ―? (確認ですが、〜ということでしょうか?)
相手の発言を自分の言葉で確認し、認識のズレを防ぎます。
Let me make sure I understand correctly. (正しく理解できているか確認させてください。)
丁寧な前置きとして使います。その後に So if I understand correctly, you said ―. と続けると、聞き返しが確認として伝わります。
音が聞き取れない、相手の英語が速くて追えない——そのときこそ、上の聞き返しフレーズで一度止めて確認できます。全部は聞き取れなくても、聞き返しの一言で会議は立て直せます。
意見・賛成・反対. 参加する人
会議で自分の立場を示すときのフレーズです。反対意見を言う際は、対立ではなく「視点の違い」として表現するのが実務の型です。
From my perspective, ―. (私の見方では、〜です。)
自分の意見を述べる定番の入り方です。「From my point of view」と言い換えることもできます。
I agree with that point. (その点については賛成です。)
発言の一部に同意する際に使います。全面同意なら I completely agree. と表現します。
I see it a bit differently. (私は少し異なる見方をしています。)
反対意見を伝える最も柔らかい表現です。「I disagree」と断定せず、角度の違いとして伝わります。
反対意見を言う前に I see it a bit differently と入るだけで、会議の空気は大きく変わります。理由や根拠まで英語で説明できるようになるのは、その次のステップです。まずは入りの一言から始めれば十分です。
オンライン会議
リモート会議特有のトラブルに、即座に対応する簡潔な表現です。
Can everyone see my screen? (皆さんの画面に私のスクリーンが映っていますか?)
画面共有を開始した際の確認の決まり文句です。
You're on mute. (マイクがミュートになっています。)
相手の声が聞こえないとき、短く伝えることで会議の流れを止めずに済みます。
Sorry, you cut out for a second. (すみません、少し音声が途切れました。)
「cut out」は音声が途切れたり落ちたりしたときによく使われる表現です。
オンライン会議では、接続トラブルの確認が先に来ることもあります。Q4でオンラインを優先場面に選んだ人は、開始・確認に加えてこの3つをセットで覚えておくと、本番の立ち上がりが速くなります。
合意・締め. 進行する人
会議の終わり間際、合意を確認してから締めくくります。この場面も進行役が主に使う表現です。
So, to summarize, ―. (では、まとめると〜ですね。)
議論の着地点を短く整理し、全体で合意を取る際に使います。
Let's follow up by email. (詳細はメールで確認しましょう。)
会議後の具体的なアクション(記録を残すなど)へ誘導する一言です。
Thank you, everyone. (皆さん、ありがとうございました。)
会議を締めくくるシンプルな挨拶です。
合意の確認(So, to summarize...)と締めの挨拶(Thank you, everyone.)——進行役なら、この2つだけ先に覚えておくだけでも、会議の終わり方は大きく安定します。参加者の立場なら、合意確認の一文だけ押さえておけば十分です。
フレーズ選びのポイント: 長く複雑な文より、短く確実に言い切れる一言を選びましょう。会議ではまず最初の一言が出ることが最優先です。補足説明は、言い切ったあとで追加すれば問題ありません。I see it a bit differently のように、短い入り方1つが決まっているだけでも、会議での発言ハードルは下がります。
開始・確認・意見・オンライン・締め——会議の型に沿って、場面ごとにフレーズを数個ずつ並べました。全部覚える必要はありません。前の章で絞った自分の場面に当てはまるものだけ選べば十分です。合計でも十数個前後です。単語帳1ページに収まる量です。進行役向けの開始・合意と、参加者向けの確認・意見——役割によって使う場面は違いますが、載せているのはそのどちらにも当てはまる型です。迷ったら、次の会議で1回だけ使うフレーズを3つに絞る——それだけで十分です。
載せた英文は、相手や国を選ばない標準的な言い方です。職場でよく聞く言い回しがあれば、置き換えて構いません。同じ場面でも、社内で定着している表現があれば、そちらを優先して構いません。
フレーズを覚えたことと、本番で口から出すことは別の話です。次に、フレーズ集だけでは足りなかった人が、どう表現を手に入れたかを見ていきます。
「知っている英語」を、話せる英語に。シャベリッシュの無料カウンセリングでは、スピーキングの現在地診断と、期日から逆算した学習プランをお持ち帰りいただけます。無料カウンセリングを予約する実録——場面を通じて表現を手に入れた人たち
フレーズ集に載っている英文だけでは、「いつ・どう使うか」までは分かりません。まず4人の学び方を見ていきます。いずれも、フレーズを増やす前に、自分がどのような場面で活用するのか、を先に決めています。
例1. 不動産会社でマンション開発を担当していた方
冒頭で紹介した不動産開発の方は、マンション開発に携わった後、投資銀行への転職を決め、限られた期間で英語のコミュニケーション力を高めました。
場面ごとの言い回し、質問の仕方、説明の補い方。こうした流れの中での使い方は、実際に英語でやりとりして初めて分かるものでした。レッスンでは、一方的に話す練習ではなく、相手の質問に答えながら考えを深めるやりとりも体験しています。
設計者やゼネコンとの打ち合わせで培った「説明の補い方」が、転職先の英語会議にも活きる——本人の言葉は、そのつながりを示しています。会議のような双方向の場では、フレーズ単体より、その流れの中でどう使うかが問われます。
例2. 広告代理店のマネージャーの方
広告代理店のマネージャーの石川さんは、インドネシアへの転職前に、公用語が英語となるため、その環境に適応するための準備を進めていました。
メールの書き方、会議の進め方、上司と部下のやりとり。場面が変わるたびに、どんな言い回しが適切で、どう進めると自然かをレッスンで確かめています。本番の仕事で初めて身につくような進め方を、赴任の前に試せた形です。
転職先では社内の公用語が英語です。フレーズ集の英文だけでは分からない使うタイミングを、本人はレッスンで先に確認した——とのことです。
例3. IT企業勤務の田中さん
IT企業勤務の田中さんは、これからの電話会議に向けて準備を進めています。
本人は「フレーズ集などでは学べないことを学べたり、似ている表現のニュアンスの違いなどを教えてもらえるので嬉しいです」と話しています。会話の流れの中でその表現を聞けるので、使う場面がはっきりしてきます。
電話会議や海外商談の対応が控えている中で、本人は「いつ・誰に・どんな流れで言うか」をレッスンで先に確認する学び方へ切り替えています。参考書の英文だけでは分からない使うタイミングが見えた瞬間から、フレーズは暗記対象ではなく道具になる——すでに会議に入っている人にとっても、「次に口を開く場面」を1つ決めてからフレーズを選ぶ、という順番は同じです。
例4. 製造業の経理として働く市川さん
冒頭で紹介した市川さんは、TOEIC830点を持ちながら「スピーキングとなると言いたいことが出てこないことが多いです」という状態でした。レッスンではビジネス英語の表現を教わり、宿題として復習する。そこまでは、フレーズ集を覚えるのと変わりません。
覚えた表現を、その週の打ち合わせで実際に口に出す。市川さんが挙げている目標も「海外出張で現地のネイティブの人と英語で打ち合わせをする」場面です。表現を覚える段階と、その表現を自分の会議で使う段階が、はっきり分かれています。
4人とも、フレーズ集を眺める時間より、自分の会議の場面を通じて表現を手に入れています。覚える量を減らす前に、場面を先に決める。4人とも、その順番でした。
まとめ|フレーズは数ではなく、自分の会議で発生する場面から選ぶ
「英語 会議 フレーズ」で出てくる10選・20選・50選は、どれも間違いではありません。ただ、全部を覚えても、本番で出てくるとは限りません。この記事で見てきたのは、覚える量ではなく順番の話でした。
会議には進み方の型があり、その中であなたが実際に口を開く場面は限られています。進行役なら開始・議題・議論・合意・締めの5場面、意見を求められる立場なら意見・質問・同意の3場面、聞き手に徹するなら確認と聞き返しの2場面です。各場面に3〜4個ずつ選べば、合計でも十数個に収まります。
実録の4人に共通していたのは、フレーズを増やすことではありませんでした。福田さんは打ち合わせのやりとりの中で説明の補い方を身につけ、石川さんは赴任前に会議の進め方を場面ごとに確かめています。田中さんは表現を使うタイミングごと確認する学び方へ切り替え、市川さんは覚えた表現をその週の打ち合わせで口に出しました。全員、場面が先です。
次の会議に向けて、3つのことから始められます。
- 直近1ヶ月の会議を思い出し、自分が実際に口を開いた場面を数える
- その中から1場面だけ選び、この記事のフレーズを3つに絞る
- 次の会議でその3つを口に出し、詰まった箇所をメモに残す
3で残ったメモが、次に覚えるフレーズを教えてくれます。フレーズ集の続きは、あなたの会議の中にあります。
